EDR製品の比較では、機能一覧を並べる前に「提供タイプ」と「運用体制との相性」を軸にすると選定を間違えにくくなります。EDR製品は定番のグローバル製品から国内サポート重視型、EPP統合型まで性格が分かれており、自社に合うタイプを見極めることが比較の出発点です。

IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2026」 が組織向けの筆頭に置くランサム攻撃への備えとして、EDRの検討は多くの企業で現実の課題になりました。この記事では、主要なEDR製品9選をタイプ別に比較し、選び方のポイントと「2〜3候補まで絞り込む手順」を解説します。なお製品選定の前に自社の端末・ログの現状把握を済ませたい方は、Watchyのサービス資料 (無料) が参考になります。


この記事では、EDR製品の比較について次の内容を解説していきます。

  • EDR製品を比較する前に押さえる基礎知識
  • EDR製品を比較する5つのポイント
  • 導入実績が豊富な定番のEDR製品4選
  • 国内サポートが手厚いEDR製品2選
  • EPP統合型で運用しやすいEDR製品3選
  • EDR製品を2〜3候補まで絞り込む3ステップ

製品名の羅列に迷子にならないよう、タイプ→選び方→製品→絞り込みの順で読める構成にしています。読み終える頃には、自社が検討すべき候補を数本まで絞れる状態になれるはずです。

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EDR製品を比較する前に押さえる基礎知識

EDR製品を比較する前に、「EDRの役割」と「提供タイプの違い」の2つだけ押さえておきましょう。 この2点が曖昧なまま製品ページを見比べると、機能の多さに引きずられて自社に合わない選定をしがちです。

EDRとは何かを1分でおさらい

EDR (Endpoint Detection and Response) は、PCやサーバーに侵入した脅威を検知し、隔離や調査まで支援する仕組みです。 侵入を防ぐEPP (アンチウイルス) とは役割が異なり、「入られた後」を受け持ちます。仕組みや機能の詳細は EDRの解説記事 を参照してください。エンドポイント対策の全体像は エンドポイントセキュリティの解説記事 で整理しています。EDR製品の比較は、この前提を踏まえたうえで進めます。

EDR製品の3つの提供タイプ

EDR製品は、提供のされ方で大きく3タイプに分かれます。

  • EDR特化型: 検知・対応の機能を深く作り込んだタイプ。既存のウイルス対策と組み合わせて使う
  • EPP統合型: 予防機能 (EPPや、AI型ウイルス対策のNGAV) と侵入後対応 (EDR) を1つのエージェントで提供するタイプ。管理を一元化しやすい
  • MDRセット型: 製品に監視・運用の代行サービス (MDR) を組み合わせて提供するタイプ。運用の人手が足りない企業向け

同じ「EDR製品」でもタイプが違えば比較の土俵が変わります。まず自社がどのタイプを求めるかを決めると、候補が自然に絞れてきます。

EDR製品を比較する5つのポイント

EDR製品の比較で確認すべきポイントは、次の5つです。 機能の豊富さよりも「自社の体制で運用しきれるか」を判断軸に置くのがコツです。

  • 検知精度と第三者評価を確認する
  • アラート対応の運用負荷を確認する
  • サポート体制と運用代行 (MDR) の有無を確認する
  • 既存のIT資産管理との連携を確認する
  • コストと無料トライアルの有無を確認する

検知精度と第三者評価を確認する

EDR製品の検知力はカタログの言葉だけでは比較できません。MITRE ATT&CK評価やAV-TESTなど、第三者機関の公開テスト結果を確認しましょう。あわせて誤検知の少なさも重要で、誤報が多い製品は運用担当を疲弊させます。

アラート対応の運用負荷を確認する

EDR製品は検知して終わりではなく、アラートを見て判断する人の稼働が発生します。通知の絞り込みや自動対応 (隔離・修復) の機能がどこまで作り込まれているかで、日々の負荷が大きく変わります。比較の際は「1日に何件のアラートを誰が見るのか」を想像しながら確認しましょう。

サポート体制と運用代行 (MDR) の有無を確認する

自社での24時間監視が難しい場合、MDRサービスの有無はEDR製品比較の決定打になります。同じ製品でもMDRの提供範囲・時間帯・言語は異なるため、サポート窓口が日本語か、有事の対応まで含むかを確認してください。EPPとの役割分担から整理したい方は EPPとEDRの違いの解説記事 も参考になります。

既存のIT資産管理との連携を確認する

EDRエージェントは全端末に漏れなく入って初めて機能します。端末台帳と照合して導入漏れを検出できるか、既存の資産管理と連携できるかを確認します。台帳管理の整え方は UEM (統合エンドポイント管理) の解説記事 で解説しています。

コストと無料トライアルの有無を確認する

EDR製品のコストは、ライセンス費用に監視・運用の人的コストを加えた総額で比較します。あわせて無料トライアルの有無も確認しましょう。実環境での試用は、検知精度や運用負荷を確かめる確実性の高い方法です。

導入実績が豊富な定番のEDR製品4選

まずはグローバルで導入実績の多い定番のEDR製品4つを紹介します。 いずれも公式サイトの公開情報に基づく紹介で、記載順は優劣を示すものではありません (以降のカテゴリも同様です) 。

製品名提供元タイプ
Microsoft Defender for EndpointMicrosoftEPP統合型
CrowdStrike FalconCrowdStrikeEPP統合型 (クラウド)
Singularity プラットフォームSentinelOneEPP統合型 (AI自動対応)
Trend Vision One - Endpoint Securityトレンドマイクロ統合基盤型

Microsoft Defender for Endpoint

Microsoftが提供するEDR製品で、次世代ウイルス対策 (Microsoft Defender ウイルス対策) と統合されています。Windows・macOS・Linux・モバイルまでマルチプラットフォームに対応し、ランサムウェアを自動でかく乱・阻止する機能を備えます。

EDR機能を含むプラン (Plan 2) は、Microsoft 365 E5などの上位プランに含まれる形でも提供されます。E3に含まれるPlan 1は予防機能が中心で、EDR機能は含まれない点に注意しましょう。無料試用版の案内があります。

CrowdStrike Falcon

CrowdStrikeが提供するクラウド型のプラットフォームで、単一の軽量センサーでNGAVとEDRを統合しています。AIによる検知のトリアージ・調査の自動化や、運用を任せられるマネージドサービス (Falcon Complete) も提供されています。EDR製品の比較では「クラウド完結型」の代表格として検討されることが多い製品です。無料トライアルの案内があります。

SentinelOne (Singularity プラットフォーム)

SentinelOneが提供するAI主体のプラットフォームです。振る舞いベースのAIで脅威を検知し、対応・修復までリアルタイムで自動化する設計が特徴として紹介されています。24時間365日のマネージド検知対応サービスも提供されており、自動化を軸にEDR製品を比較したい場合の有力候補になります。

Trend Vision One - Endpoint Security

トレンドマイクロが提供する統合セキュリティ基盤「Trend Vision One」上のエンドポイント保護です。従来のApex Oneシリーズの後継にあたる製品です。Apex One SaaSは新規販売を終了し、2026年12月末でサポートが終了すると公式が案内しています。

1つのコンソールでの一括管理やXDRへの拡張性が特徴です。国内で長く使われてきたベンダーの現行製品として、移行需要も含めて比較対象になります。

国内サポートが手厚いEDR製品2選

国内の体制・日本語サポートを重視する場合の代表的なEDR製品を2つ紹介します。

製品名提供元タイプ
Cybereason EDRサイバーリーズン合同会社EDR特化型 (MDRあり)
LANSCOPE サイバープロテクションエムオーテックスEPP統合+MDRセット型

Cybereason EDR

サイバーリーズン合同会社が提供するEDR特化型の製品です。AIを活用した振る舞い検知と、攻撃の全体像を可視化する「MALOP」という考え方が特徴として紹介されています。MDRサービスやインシデント対応支援も国内で提供されており、EDR製品の比較で国内のMDR提供体制を重視する場合の代表的な候補です。

LANSCOPE サイバープロテクション

国内ベンダーのエムオーテックス (MOTEX) が提供するエンドポイントセキュリティサービス群です。AIを使った次世代アンチウイルスとEDR機能を提供しています。さらに監視・運用を任せられるMDRサービス (Aurora Managed Endpoint Defense) も一体で利用できます。日本語ドキュメントと国内サポート体制がそろっており、運用まで含めた国内完結を求めるEDR製品比較で候補になります。

EPP統合型で運用しやすいEDR製品3選

予防 (EPP) と侵入後対応 (EDR) を1つにまとめ、管理を一元化しやすい製品を3つ紹介します。

製品名提供元タイプ
ESET PROTECTキヤノンマーケティングジャパン (国内提供)EPP+EDR/XDR統合
Sophos Endpoint (旧Intercept X)SophosEPP+EDR統合
FortiEDRFortinetEPP統合+自動対応

ESET PROTECT

ESETの法人向けシリーズで、国内ではキヤノンマーケティングジャパンが提供しています。EPPとEDR/XDR機能を統合し、クラウドでの一元管理やクラウドサンドボックスによる未知の脅威解析を備えます。24時間監視のMDR (ESET PROTECT MDR) もラインアップされており、EPPからの拡張でEDR製品を比較する企業に馴染みやすい構成です。

Sophos Endpoint (旧Intercept X)

Sophosが提供するエンドポイント保護です。ディープラーニングによるマルウェア対策やランサムウェア対策 (CryptoGuard) に、EDRの検知・対応機能を統合しています。24時間365日のMDRサービス (Sophos MDR) も別途提供されています。無償評価版の案内があり、実環境でEDR製品の比較検証をしやすい製品です。

FortiEDR

Fortinetが提供するEDR製品で、リアルタイムの侵害特定とプレイブックによる自動対応が特徴として紹介されています。マルウェア感染防止 (EPP相当) の機能を含み、レガシーOSやOT環境への対応も公式に案内されています。同社のネットワーク製品群との統合を軸に、既存環境との親和性でEDR製品を比較する場合の候補です。

EDR製品を2〜3候補まで絞り込む3ステップ

9製品を眺めるだけでは選定は進みません。次の3ステップで2〜3候補まで絞り込みましょう。 実務では、この絞り込みの手順が選定の質を決めます。

  1. 要件と現状を整理する: 端末の台数・OS構成・拠点を台帳で確認し、操作ログの取得状況とアラートを監視できる体制の有無を書き出す。ここが曖昧だと、どのEDR製品を比較しても判断基準が定まりません
  2. 必須条件でタイプを決めて3〜5候補に絞る: ステップ1で整理した体制面から必須条件を決める。「24時間監視は外部に任せたい→MDRセット型」「管理を一元化したい→EPP統合型」のように、該当タイプの製品だけを残す
  3. トライアル (PoC) で検証する: 残った候補を実環境で試し、検知精度・誤検知の頻度・アラート対応の負荷を確認して最終決定する

ステップ1の「台帳とログの現状把握」は、EDR選定の前提でありながら後回しにされがちな部分です。ここを先に仕組み化しておくと、選定も導入後の運用も一気に楽になります。

絞り込みのステップ1にあたる端末台帳と操作ログの見える化は、PC1台から始められます。詳しくは Watchyのサービス資料 (無料) をご覧ください。

よくある質問

EDR製品の比較に関連して、あわせて検索されることが多い疑問をまとめました。

  • NGAV製品との比較はどう考えればよいですか?
  • 無料で使えるEDR製品はありますか?
  • トライアル (PoC) では何を確認すべきですか?

NGAV製品との比較はどう考えればよいですか?

NGAVは「感染前の予防」、EDRは「感染後の検知・対応」で役割が異なるため、同じ土俵で優劣を比較するものではありません。近年は両方を1つのエージェントで提供する製品が多く、当記事のEPP統合型がその例です。

無料で使えるEDR製品はありますか?

OSS (オープンソース) の無償EDRは存在しますが、構築・運用に専門知識が必要でベンダーサポートもありません。運用体制が限られる企業では、有償製品の無料トライアルや無償評価版で導入前に検証する方が現実的です。

トライアル (PoC) では何を確認すべきですか?

検知精度だけでなく、誤検知の頻度・アラートの量・管理画面の運用負荷を確認しましょう。実際に運用する担当者が試用期間中にアラート対応を体験しておくと、導入後のギャップを防げます。

まとめ

EDR製品の比較は、「提供タイプを決める→5つのポイントで確認する→トライアルで検証する」の順で進めると迷いません。当記事のポイントを振り返ります。

  • EDR製品は特化型・EPP統合型・MDRセット型の3タイプで、自社の運用体制との相性が選定軸
  • 比較ポイントは検知精度・運用負荷・MDRの有無・資産管理との連携・総コストの5つ
  • 一覧を眺める前に、要件整理→タイプ絞り込み→PoCの3ステップで候補を2〜3本に絞る

そして、どのEDR製品を選ぶ場合でも前提になるのが端末台帳と操作ログの整備です。この土台は、Watchyが1機能・PC1台あたり月額50円から担えます。まずは 無料トライアル で、絞り込みステップ1の現状把握から始めてみましょう。

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執筆者

Watchy編集部

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