中小企業では、専任の情報システム部門を設けず、総務や管理部門の社員がIT管理を兼任していることがあります。問い合わせに対応しているうちに1日が終わり、PC管理やセキュリティ対策まで手が回らないことも珍しくありません。本記事では、情シス担当者が経験しやすい「あるある」と、少人数でも問い合わせやPC管理の負担を減らし、必要なセキュリティ対策を続ける方法を解説します。

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【情シスあるある】問い合わせ対応編

情シス担当者の時間を奪いやすいのが、社員からの問い合わせです。一つ一つは短時間で済む内容でも、回数が増えると本来の業務を中断する原因になります。

まずは、問い合わせ対応で起こりやすい四つのケースを見ていきましょう。

問い合わせ対応だけで1日が終わる

「出社早々メールやチャットで問い合わせが届き、対応している最中にも直接声をかけられる」というのは情シス担当者にとって日常茶飯事の光景です。

「印刷できない」「メールが送れない」「Web会議に入れない」など、1件当たりの対応時間はそれほど長くないかもしれません。

しかし、そのたびに作業を止めて状況を確認し、原因を調べ、解決方法を説明する必要があります。

問い合わせが重なると、予定していたPCの棚卸しやセキュリティ確認を後回しにすることになります。結果として、緊急ではないものの会社として必要な管理業務が進まなくなってしまいます。

IT関係なら何でも頼まれてしまう

社内で「PCに詳しい人」と認識されると、情シスの担当範囲を超えた相談まで集まりやすくなります。

Excelの関数やスマートフォンの操作方法、会議室のモニター設定など、ITに少しでも関係があれば情シスへ問い合わせる状態です。

専任の情シスがいない会社では、総務や経理など本来の仕事を持つ担当者がこうした相談にも対応しているケースがあります。

説明した内容を何度も聞かれる

同じ内容を何度も説明するのも、情シス業務で起こりやすい問題です。

手順書を用意していても、社員が保存場所を知らなかったり、必要な情報を検索できなかったりすると、結局担当者へ質問が来ます。

また、内容が古いままだと、「手順書を見るより担当者に聞いた方が確実」という状態になります。

障害が起きると真っ先に呼ばれる

ネットワークにつながらない、業務システムが開かないといったトラブルが発生すると、最初に連絡を受けるのは情シス担当者です。

実際にはクラウドサービス側の障害や通信会社の問題であっても、まず社内側で状況を確認する必要があります。

その際、使用しているPCのOSやソフトウェア、ネットワーク環境などが整理されていなければ、原因を特定するための情報収集にも時間がかかります。

【情シスあるある】セキュリティ対応編

問い合わせ対応だけでなく、会社の情報を守ることも情シスの重要な役割です。

しかし、専任担当者が少ない企業では、必要性を感じていても確認や対策まで手が回らないことがあります。

パスワードを忘れた問い合わせが頻繁に来る

クラウドサービスや業務システムが増えるほど、社員が使用するアカウントも増えていきます。

その結果、「パスワードを忘れた」「ログインできない」といった問い合わせも発生しやすくなります。

一件ずつは簡単な対応でも、人数が多ければ無視できない業務量になります。

さらに注意したいのが、パスワードを付箋やメモ帳など、安全とはいえない方法で管理するケースです。

問い合わせへの対応だけでなく、会社としてどのようにアカウントや認証情報を管理するかを決めておく必要があります。

USBメモリやデータ持ち出しが気になる

USBメモリは便利な一方で、情報を社外へ持ち出す手段にもなります。

税理士事務所なら顧客の会計情報、医療・福祉施設なら利用者の個人情報など、漏洩した場合の影響が大きいデータを扱う企業もあります。

しかし、社員がどのPCでUSBメモリを使用したのかを把握していなければ、問題が発生した際に確認できません。

結果として、インシデント発生後の調査が必要となる上に、情シスの責任を追及されるというケースもあり得ます。

セキュリティ対策をお願いしても後回しにされる

OSやソフトウェアの更新を社員任せにすると、「業務が忙しいから後で」と先送りされることがあります。

しかし、更新されていないPCには、既知の脆弱性が残っている可能性があります。

担当者が社内を回って一台ずつ確認する方法では、PCの台数が増えるほど負担も大きくなります。

テレワークや外出の多い社員がいれば、そもそも直接端末を確認できないケースもあるでしょう。

どのPCが更新済みで、どのPCが対応できていないのかを一覧で確認できる状態にすると、担当者の確認作業を減らせます。

問題が起きてからログを確認することになる

「ファイルがなくなった」「身に覚えのない操作がある」といったトラブルが発生してから、操作履歴を確認しようとすることもあります。

ところが、必要なログを取得していなければ、過去の操作をさかのぼることはできません。

また、ログが残っていても、どこに保存されているのか分からなければ調査に時間がかかります。

ログは問題発生時だけ使うものではありません。

継続的に取得し、必要なときに検索や確認ができる状態をつくっておけば、原因調査だけでなく不正操作の抑止にも活用できます。

情報漏洩対策の重要性を理解してもらいにくい

情報漏洩対策は、事故が起きていない段階では効果が見えにくい取り組みです。

そのため、セキュリティ強化の必要性を説明しても、「今まで問題がなかったから」「そこまで対策する必要があるのか」と受け止められることがあります。

特に中小企業では、ITにかけられる予算や人員も限られています。

全ての対策を一度に行うのではなく、会社が扱う情報やPC台数などを踏まえて、優先順位をつけることが大切です。

【情シスあるある】ひとり情シス・兼任担当者編

専任の情報システム部門がない企業では、一人の担当者がIT管理を担ったり、総務などの業務と兼任したりするケースがあります。

こうした環境では、人数が少ないからこその悩みが生じます。

休むと社内のIT対応が止まってしまう

「自分が休んだ日に限ってトラブルが起きるのではないか」と考え、休暇を取りにくくなることがあります。

担当者が一人しかいなければ、社員も「この人に聞くしかない」と考えるためです。

休暇中でもチャットや電話で質問を受ける状態では、担当者が業務から完全に離れられません。

会社側にとっても、一人が不在になっただけでIT対応が止まる状態はリスクです。

問い合わせ方法や端末情報、障害時の連絡先などを共有し、「担当者本人に聞かなくても分かる情報」を増やす必要があります。

担当者しか分からない業務が増えていく

ひとりでIT業務を担当していると、いつの間にか情報が担当者へ集中します。

どのPCを誰が使っているのか、どのソフトウェアを導入しているのか、設定を変更した理由は何かといった情報が、その人しか分からない状態です。

こうした属人化は、日常業務が回っているうちは見過ごされがちです。

しかし、担当者が休職・異動・退職した際に、会社として現在のIT環境を把握できなくなります。

個人の記憶やExcelファイルだけに頼らず、会社として管理情報を確認できる状態を整えることが重要です。

総務や経理と情シスを兼任している

中小企業では、情シス専任者を置かず、総務や経理などの社員がIT管理を兼任することがあります。

兼任担当者にとって難しいのは、IT業務だけに集中できないことです。

月末の経理処理をしている最中にPCトラブルが発生したり、採用や入退社対応の繁忙期にPCのセットアップが重なったりすることもあります。

ITの専門家ではない社員が管理を担当しているケースでは、高度な機能を備えたツールを導入しても運用しきれない場合があります。

少人数の会社ほど、専門知識がなくても必要な状態を確認しやすい仕組みが求められます。

改善したいことはあるのに手が回らない

「PC管理を整理したい」「セキュリティ対策を見直したい」と考えていても、緊急性の高い問い合わせが優先され、改善業務まで進まないことがあります。

その結果、ExcelのIT資産台帳が古いままになったり、OSの更新状況を把握できなくなったりします。

問題なのは、管理できていない状態そのものが新たな作業を生むことです。

PCの状況が分からなければ、何かを確認するたびに利用者へ問い合わせたり、端末を直接見たりする必要があります。

管理情報を自動で取得できる仕組みに変えることで、こうした確認作業そのものを減らせます。

トラブルがないと仕事をしていないと思われる

情シスの業務には、トラブルが起きないようにするための仕事が多くあります。

OSの更新状況を確認する、不要なソフトウェアがないかを見る、セキュリティ上問題のある操作がないか調べるといった業務です。

問題が発生しなければ成果は見えにくい一方、障害が起きれば担当者へ対応が集中します。

こうした業務を担当者個人の作業として終わらせず、レポートなどで管理状況を可視化できれば、会社側もIT管理の状況を把握しやすくなります。

「何も起きていない」だけではなく、「何を管理して問題を防いでいるのか」を見えるようにすることも大切です。

情シスあるあるを減らして業務を楽にする方法

ここまで紹介した「あるある」の多くは、担当者の能力不足ではなく、業務や情報が一人に集まっていることから生じています。

問い合わせを減らし、確認作業を仕組み化することで、少人数でも負担を抑えやすくなります。

よくある問い合わせは手順書で自己解決してもらう

同じ問い合わせが何度も届く場合は、FAQや手順書を用意しましょう。

「問い合わせが来たら回答する」のではなく、回答と一緒に手順書を案内する運用にすると、次回から社員自身で確認してもらいやすくなります。

全てをマニュアル化するより、繰り返し発生している問い合わせから優先するのが現実的です。

情シスと現場の対応範囲を明確にする

ITに関する内容を全て情シスへ集めるのではなく、対応範囲を決めておきましょう。

一例として、次のように整理できます。

区分主な業務の例
情シスが対応PCの初期設定、アカウント管理、IT資産管理、セキュリティ対策
現場で対応基本的なソフト操作、マニュアルで解決できる内容
外部に依頼高度な障害対応、ネットワーク設計など

対応範囲を社内へ共有し、社員自身で確認できる内容、担当者へ依頼する内容、専門業者へ任せる内容を切り分けましょう。

PC情報を一元管理して確認作業を減らす

30台、50台、100台とPCが増えるほど、Excelや目視だけで管理を続けることは難しくなります。

利用者が変わったり、ソフトウェアが追加されたりするたびに手作業で台帳を更新すると、実際の端末と記録がずれることもあります。

IT資産管理ツールを利用すると、端末から情報を取得し、管理画面で確認できます。専任の情シスがいない企業では、詳細な台帳を人の手で維持するより、端末から取得できる情報はツールに任せる方が管理負担を抑えられます。

定型作業はITツールで自動化する

繰り返し発生する「確認する」「記録する」といった作業も、可能な範囲でツールに任せましょう。

自動化・省力化しやすいものには、次のような業務があります。

  • PC情報の取得
  • OSのアップデート状況の確認
  • インストールされているソフトウェアの把握
  • 操作ログの取得
  • USBメモリの利用状況の記録
  • 管理状況のレポート作成

こうした作業を手動で行う時間を減らせれば、問い合わせ対応やより重要なセキュリティ対策へ時間を使えます。

少人数で抱えきれない業務は外部サービスを活用する

社内で対応するには専門性が高い業務については、外部サービスを活用する方法もあります。

ネットワーク障害への対応やセキュリティに関する専門的な判断などは、社内の兼任担当者だけで抱え込む必要はありません。

PCのキッティングやヘルプデスク業務を外部へ委託する方法もあります。

一方で、日常的なPCの状態確認まで毎回外部へ問い合わせるのは非効率です。

自社で確認できる情報は管理ツールで把握し、高度な判断が必要な部分だけ専門家へ相談するなど、役割を分けるとよいでしょう。

情シスあるあるを放置せず管理体制を見直そう

情シス担当者が問い合わせや確認作業に追われる状態を、「中小企業だから仕方がない」で終わらせる必要はありません。

特に、専任の情シスがいない企業では、PCの状態確認やセキュリティ管理を一人の担当者の知識と作業量に頼りすぎないことが重要です。

まずは、自社で時間を取られている作業を確認してみましょう。

「PCの情報を調べる」「更新状況を確認する」「ログを探す」といった作業が繰り返し発生しているのであれば、ツールで省力化できる可能性があります。

こうした中小企業のIT管理を支援するクラウドサービスが「Watchy(ウォッチー)」です。

Watchyは、情報漏洩対策やIT資産管理、業務管理など、基本的な内部統制に必要な機能を選んで利用できます。多機能なシステムを一式導入するのではなく、自社に必要な機能から導入できる点が特徴です。

情シスがいない、あるいは少人数で30〜100台程度のPCを管理している企業では、担当者が頑張り続ける体制から、仕組みで管理できる体制へ変えていくことが重要です。

問い合わせ対応やPC管理に追われ、本来取り組みたいセキュリティ対策まで手が回らない場合は、Watchyを活用した管理方法も検討してみてください。

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執筆者

Watchy編集部

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