サーバーやネットワーク機器の保守期限が近づいているけれど、すぐに入れ替える予算も人手もない。そんな状況に直面していないでしょうか。メーカー保守が終わったら、機器はすぐ交換しなければならないと考えている方も多いはずです。しかし、選択肢はリプレイスだけではありません。この記事では、第三者保守の仕組みと、自社に必要かどうかを見極める判断基準を解説します。
この記事を読んでる方必見!おすすめ資料
「Watchy」サービス資料
Watchyのサービス概要資料です。
フォームをご記入頂き、ダウンロードしてください。
第三者保守とはメーカー以外が行う保守サービス
まずは言葉の意味を整理しましょう。第三者保守は、メーカー保守の代わりになる仕組みです。何ができて、何が違うのかを押さえておきましょう。
メーカー以外の専門会社がIT機器を保守する
第三者保守とは、メーカー以外の専門会社が提供する保守サポートのことです。サードパーティ保守と呼ばれることもあります。
対象となるのは、主にハードウェアです。サーバー、ストレージ、ネットワーク機器、PCなどが該当します。故障時の修理や部品交換、定期的な点検などを、メーカーに代わって専門会社が担います。
メーカー保守との違いを整理すると、次のようになります。
| 比較項目 | メーカー保守 | 第三者保守 |
| 提供元 | 機器のメーカー | 保守専門の事業者 |
| 対象期間 | 保守サービス提供期間内 | 保守終了後も継続可能 |
| 費用の傾向 | 延長すると割高になりやすい | メーカー保守より低くなる傾向 |
| 対象範囲 | 自社製品のみ | 複数メーカーの機器をまとめて対応 |
複数メーカーの機器を一括で任せられる点は、実務上のメリットになります。窓口が一本化されるため、障害時の連絡先に迷わずに済むためです。
EOSLはメーカーの保守サービス終了を意味する
第三者保守を理解する上で欠かせないのが、EOSLという言葉です。EOSLはEnd of Service Lifeの略で、メーカーによる保守サービスの終了を指します。
似た言葉に、EOLとEOSがあります。それぞれの意味は次の通りです。
- EOSL:メーカーによる保守サービス期間の終了
- EOL:End of Life。販売や部品生産を含むライフサイクルの終了
- EOS:End of Support。メーカーによる技術サポートの終了
サーバーやネットワーク機器は、購入から5年程度でEOSLを迎えるのが一般的です(出典:ソフトバンク「第三者保守とは?メリットやメーカ保守との違い、注意点を解説」)。
EOSLを過ぎた機器は、故障してもメーカーが対応してくれません。部品の調達もできなくなります。ここが不安の出発点になるわけです。
メーカー保守終了後も第三者保守を利用できる
大切なのは、EOSLが「機器の寿命」ではないという点です。あくまで、メーカーがサポートを終える時期を指しているだけです。
近年のハードウェアは耐久性が高く、保守期間を過ぎても安定して稼働するケースが少なくありません。まだ問題なく動いている機器を、期限だけを理由に交換するのはもったいない判断かもしれません。
第三者保守を利用すれば、EOSL後も部品交換や障害対応を受けられます。機器を必要な期間だけ延命し、更新の時期を自社の都合で決められるようになります。
一方で、延命が適さないケースもあります。すでに故障が頻発している機器、性能が業務要件に追いついていない機器、外部公開しているサーバーなどです。第三者保守はあくまで時間を買う手段であり、判断を先送りにするための仕組みではありません。
第三者保守が必要になるのはどんなときか
では、どのような状況で第三者保守が選択肢になるのでしょうか。代表的な四つのケースを見ていきましょう。自社の状況と照らし合わせてみてください。
コストや人手の問題ですぐ更新できないとき
最も多いのが、予算とリソースの問題です。サーバーやストレージのリプレイスには、機器購入費だけでなく、構築や動作確認の工数もかかります。
中小企業では、情シス業務を総務や管理部門が兼任しているケースも珍しくありません。通常業務を抱えたまま、大がかりな移行作業を進めるのは現実的に難しいでしょう。
第三者保守を挟めば、リプレイスの時期を後ろにずらせます。予算計上のタイミングや、人員体制が整う時期に合わせて判断できるようになります。
次期システムへの移行まで時間が必要なとき
すでに更新計画はある。けれど、稼働開始までまだ時間がかかる、といった「つなぎ」の期間にも第三者保守は有効です。
システム移行には、要件定義から設計、テストまで相応の準備期間が必要です。無理に日程を詰めれば、検証不足のまま本番を迎えるリスクが高まります。
保守切れによる空白期間を発生させずに移行作業へ取り組めるため、スケジュールを滞りなく進める安心感につながります。
既存機器を残してIT投資を最適化したいとき
限られたIT予算を、どこに使うか、といった判断も重要な視点です。
EOSL後にメーカー保守を延長すると、割増料金が発生するケースがあります。機能追加を伴わない料金引き上げとなるのが一般的で、メーカー保守費用の目安は機器初期費用の3割程度とされています。
第三者保守に切り替えて維持費を抑えれば、その分をクラウド移行やセキュリティ対策など、優先度の高い投資に回せます。既存機器を生かしながら、投資配分を見直す考え方です。
技術的な理由でシステム更新が難しいとき
古い機器を使い続けざるを得ない事情もあります。例えば、次のようなケースです。
- 業務アプリの制約:新しいOSで動作保証がされていない
- 専用機器との連携:製造設備や検査機器の制御に必要
- 機能面の理由:新機種に必要な機能が搭載されていない
- 業務停止の回避:稼働を止められない基幹システム
こうした場合、リプレイスの判断自体が難しくなります。まずは第三者保守で稼働を維持し、対応策を検討する時間を確保する。これも現実的な選択です。
第三者保守を選ぶ前に確認すべきポイント
第三者保守は便利な仕組みですが、事業者によって対応範囲は大きく異なります。契約後に困らないよう、事前に確認すべき点を整理しておきましょう。
対象機器の保守部品を確保できるか確認する
最も重要なのが、部品の調達力です。保守契約を結んでも、部品がなければ修理はできません。
確認したいのは、事業者が部品を在庫として保有しているかどうかです。障害発生後に取り寄せる方式では、復旧までに日数がかかります。場合によっては、部品自体が見つからないこともあります。
数世代前の機器や、海外メーカー製品は特に注意が必要です。自社の型番に対応した部品を保有しているか、具体的に問い合わせてみましょう。
障害時の対応時間とオンサイト体制を確認する
次に確認したいのが、障害発生時の動き方です。オンサイト体制とは、技術者が現地に出向いて対応する形式を指します。
確認すべき項目は次の通りです。
- 受付時間:平日日中のみか、24時間365日か
- 駆けつけ時間:連絡から到着までの目安
- 復旧までの体制:一次対応と修理の担当分担
- 拠点の場所:自社から近い拠点があるか
業務への影響度に応じて、必要な水準は変わります。基幹システムなら手厚い体制を、そうでなければ費用を抑えた契約を。この使い分けが費用対効果を高めます。
ハードウェア以外の対応範囲も確認する
見落としやすいのが、ソフトウェア面の扱いです。第三者保守の対象は、基本的にハードウェアの故障対応です。
OSやミドルウェアのパッチ提供、ファームウェアの更新などは、対象外となる場合があります。メーカーしか提供できない領域があるためです。
自社が求めているサポートがどこまで含まれるのか。契約前に書面で確認しておきましょう。「何ができないか」を明確にしておくことが、後のトラブルを防ぎます。
ここで押さえておきたいのが、セキュリティ上のリスクです。
第三者保守が対応するのは、あくまで物理的な故障です。OSやファームウェアの更新はメーカーしか提供できないため、EOSL後は新たに見つかった脆弱性が修正されないまま残ります。
延命する場合は、この点を前提にした対策が必要です。ネットワークを分離する、外部からのアクセスを遮断する、監視を強化するといった補完策を、あわせて検討しましょう。インターネットに接続している機器や、個人情報を扱うシステムでは、延命そのものが適さない場合もあります。
保守実績や継続性のある事業者を選ぶ
保守は、契約したら終わりではありません。数年にわたって付き合う相手です。
判断材料になるのは、これまでの実績です。自社と類似した業界や、同じメーカーの機器を扱った経験があるかを確認しましょう。技術的な質問に具体的に答えられるかどうかも、ノウハウを測る目安になります。
事業者としての継続性も見ておきたい点です。保守期間の途中でサービスが終了すれば、また一から探し直すことになります。
契約前に保守開始までの流れを確認する
最後に、契約から保守開始までの手順を確認しておきましょう。一般的には、次のような流れになります。
- 機器情報の提出:メーカー、型番、台数、設置場所を伝える
- 見積もりの提示:対応範囲とサービス水準に応じた金額
- 事前調査:機器の稼働状況や設置環境の確認
- 契約締結:保守範囲と期間を書面で合意
- 保守開始:メーカー保守終了日と切れ目なく接続
注意したいのは、準備に一定の期間が必要な点です。メーカー保守の終了間際に動き出すと、保守の空白期間が生じかねません。期限の数カ月から相談を始めるのが安心です。
第三者保守を活用しIT機器の更新時期を最適化する
ここまで見てきたように、EOSLは必ずしも即座の交換を意味しません。判断の幅を持つことが、無理のないIT投資につながります。
第三者保守を検討する上で、出発点になるのは自社機器の把握です。どのメーカーの、どの型番の機器が、いつ保守期限を迎えるのか、といった情報がなければ、見積もりの依頼すらできません。
整理しておきたいのは、次の項目です。
- 機器情報:メーカー名、型番、購入時期
- 保守状況:現在の契約内容と終了予定日
- 業務上の重要度:停止した場合の影響範囲
- 更新予定:リプレイス計画の有無と時期
とはいえ、機器台数が増えるほど、この棚卸しは手間のかかる作業になります。台帳が更新されておらず、実態と合っていないという声もよく聞かれます。
こうした状況で役立つのが、IT資産管理ツールです。例えばWatchy(ウォッチー)は、社内PCのハードウェア情報を自動で収集し、管理画面上で一元的に確認できるクラウド型のIT資産管理ツールです。保有者などのメモを追記できるため、保守期限や更新予定の管理にも活用できます。
必要な機能だけを選んで契約できるモジュール式で、PC1台・1機能あたり50円から利用できます。クラウド型のためサーバーの設置も不要です。情シス専任者がいない企業でも扱いやすい設計で、部署単位での導入にも対応しています。台数・機能の上限がない15日間の無料トライアルも用意されています。
保守期限に追われて判断するのではなく、自社の計画に沿って更新時期を決めるためにも、まずは手元の機器情報を整理するところから始めてみてはいかがでしょうか。
Watchy(ウォッチー) - クラウド型IT資産管理・ログ管理ツール
Watchy編集部
従業員が安心して働ける環境を提供するための、IT資産管理、情報漏洩対策、労務管理に関するコンテンツを発信しています。
Watchyは、株式会社スタメンが運営するクラウドサービスです。企業のIT情報統制の課題やバックオフィスの課題を、情報システム担当者が手薄な状況でも、Watchyが解決。設定・運用の手間を最小化しながら、押さえるべきポイントを確実に押さえた企業統制の実現を支援します。
【株式会社スタメンについて】 東京証券取引所グロース市場上場。Watchy、TUNAGなど、人と組織の課題解決を実現するSaaSを展開。情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)及びプライバシーマークを取得。

