社内PCの増加に伴い、使用するソフトウェアも年々多様化し、管理に頭を悩ませていませんか。利用者の特定や購入ライセンス数と実際の利用数の照合など、専任の情シス部門がない企業では把握が難しくなりがちです。本記事では、ライセンス管理の基礎知識から、手作業の負担を効率よく軽減する具体的なアプローチまでを分かりやすく解説します。
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目次
ライセンス管理とは何か
まずは、ライセンス管理という言葉が指す範囲を整理しましょう。単に「ソフトの本数を数えること」ではありません。契約条件に沿って使える状態を保つ活動全体を指します。
ソフトウェアの利用条件を管理する
ライセンスとは、ソフトウェアの使用を許可する契約のことです。購入しても著作権が自社に移るわけではありません。あくまで、決められた条件の範囲内で使う権利を得ているだけです。
ライセンス管理では、次のような情報を把握します。
- 対象ソフトウェア:社内で使用している製品名とバージョン
- 保有ライセンス数:契約上、利用が認められている数
- 利用者・端末:誰のどのPCに入っているか
- 契約形態:買い切りか、期間契約か
- 有効期限:更新が必要になる時期
これらを常に最新の状態に保つことが、ライセンス管理の基本です。契約内容を誤解したまま使い続けると、意図せず違反状態になってしまいます。
ライセンスの種類や数え方を理解する
ライセンスは、製品によって数え方が異なります。ここを取り違えると、必要数の計算が狂ってしまいます。
代表的な数え方は次の表の通りです。
| ライセンスの種類 | カウントの基準 | 注意したい点 |
| ユーザーライセンス | 利用する人の数 | 1人が複数端末で使える場合もある |
| デバイスライセンス | インストールする端末の数 | 端末を入れ替えると再割り当てが必要 |
| 同時接続ライセンス | 同時に使う人の数 | 契約数を超えた同時利用は違反になる |
契約期間による分類もあります。買い切りで使い続けられる永久ライセンス、期間ごとに更新するサブスクリプションライセンス、大量にまとめて購入するボリュームライセンスなどです。
自社の契約がどれに当たるのか。まずはそこから確認してみましょう。
IT資産管理の一環としてライセンスを管理する
ライセンス管理は、IT資産管理の一部と考えると整理しやすくなります。IT資産管理とは、社内のPCやソフトウェアといった資産を把握し、適切に運用する取り組みです。
ハードウェアの管理台帳とライセンス台帳が別々だと、照合に手間がかかります。「このPCは廃棄済みなのに、ライセンスは割り当てたまま」という状態も起こりがちです。
端末情報とソフトウェア情報をひとまとめに管理することが負担を減らす第一歩になります。
中小企業にもライセンス管理が必要な理由
「大企業の話でしょう」と感じることもあるかもしれません。しかし、規模の小さい企業ほど管理が属人的になりやすく、リスクは決して小さくありません。ここでは四つの理由を見ていきます。
ライセンス違反によるリスクを防ぐ
契約数を超えたインストールや、期限切れソフトの使用は、著作権侵害にあたる可能性があります。契約数を超えたインストールや、期限切れソフトの使用は、著作権侵害にあたる可能性があります。著作権法では、個人に対して10年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金、あるいはその両方が定められています。法人の場合は3億円以下の罰金が科されることもあります。
実際には、メーカーからの是正要求や損害賠償請求という形で問題になるケースが多く見られます。いずれにせよ、悪意がなくても違反は成立します。
金銭的な負担だけではありません。取引先や顧客からの信頼を損なう点も見過ごせません。悪意がなくても違反は成立します。だからこそ、把握しておくことが大切です。
余剰ライセンスによるコストを減らす
使われていないライセンスにコストを払い続けている状況は、中小企業でもよくある話です。
余剰が生まれる原因は主に次の通りです。
- 退職者分の放置:退職後もアカウントが残ったまま
- 部署異動:業務が変わり不要になっても解約されない
- 重複購入:他部署の契約を知らずに買い足す
- 更新の自動継続:利用実態を確認しないまま更新する
サブスクリプション型が増えたことで、毎月・毎年の固定費として積み上がります。利用実態を確認するだけで、削減できる費用は少なくありません。
古いソフトウェアによるリスクを減らす
管理外のソフトウェアが放置されると、セキュリティ面の不安が残ります。サポートが終了した古いバージョンには、修正されない脆弱性が残っている場合があるためです。
また、正規でないソフトウェアにマルウェアが仕込まれているケースもあります。何がインストールされているかを把握することは、セキュリティ対策そのものだといえるでしょう。
ライセンス監査に備えて利用状況を把握する
ソフトウェアメーカーが、利用状況の確認を求めてくることがあります。これがライセンス監査です。
監査では、保有数と実際の利用数を示す資料の提出を求められます。台帳が整っていなければ、その都度PCを1台ずつ確認することになります。日頃から記録を残しておけば、対応にかかる時間を大きく減らせます。
手作業のライセンス管理で起こりやすい課題
Excel台帳での管理は、多くの企業が最初に取る方法です。ただ、規模が大きくなるほど限界も見えてきます。よくある四つの課題を確認しましょう。
ソフトウェアが増えるほど管理負担が大きくなる
業務ごとに必要なソフトウェアは異なります。会計、設計、デザイン、コミュニケーションツールと、種類は増える一方です。
クラウドサービスの普及も、この傾向を後押ししています。部署単位で契約できてしまうため、全社で何を使っているのか見えにくくなります。管理対象が増えれば、更新の手間もそのまま増えていきます。
複雑なライセンス形態を把握しにくい
先に触れた通り、ライセンスの数え方は製品ごとに異なります。同じメーカーでも、製品によって条件が変わることも珍しくありません。
「1ライセンスで2台までインストール可」といった細かい条件もあります。契約書やメーカーのサイトを都度確認する作業は、兼任担当者にとって大きな負担でしょう。
ライセンスの集計に時間と手間がかかる
保有数と利用数を照合するには、各PCの状況を調べる必要があります。手作業の場合、担当者が1台ずつ確認するか、従業員に申告してもらうことになります。
台数が数十台になれば、棚卸しだけで数日かかることもあります。しかも、確認した翌日には状況が変わっているかもしれません。これでは正確な数字を保ち続けるのは困難です。
従業員の自由なインストールで管理が難しくなる
台帳を整えても、把握できないソフトが入り続ければ実態とずれていきます。
有効なのが、管理者権限の見直しです。全員に権限を与えている状態なら、業務上必要な人に限定できないか検討しましょう。あわせて、新しいソフトを使いたい場合の申請先と手順を決めておきます。
禁止するだけでは、隠れて使われるだけです。申請すれば使えると分かる状態にしておくことが、シャドーITを減らす近道になります。
ライセンス管理の負担を減らす進め方
課題が見えたところで、実際の進め方を確認しましょう。全てを一度に完璧にする必要はありません。範囲を決めて、段階的に進めるのが現実的です。
管理するソフトウェアの範囲を決める
最初に決めるべきは、どこまでを管理対象にするかです。社内の全てのソフトを同じ精度で管理しようとすると、途中で止まってしまいます。
判断の目安は次の通りです。
- 有償ソフト:金額の大きいものから優先的に管理する
- 業務必須ソフト:止まると業務に支障が出るもの
- 無償ソフト:商用利用の可否だけ確認する
- 個人契約ツール:会社経費かどうかを整理する
まずは有償かつ全社利用のものから着手しましょう。優先順位を付けることで、担当者の負担が現実的な範囲に収まります。
ライセンス管理台帳を作成して更新する
管理対象が決まったら、台帳を作成します。記載する項目は、ソフトウェア名、バージョン、契約形態、保有数、利用者、インストール端末、購入日、有効期限あたりが基本です。
大切なのは、更新のルールを決めることです。入社時、退職時、端末入れ替え時に必ず記録する。この運用が定着しなければ、台帳はすぐに実態と乖離します。
更新のタイミングを人事の手続きにひも付けると、抜け漏れが減らせます。
保有数と利用数を照合して過不足を把握する
台帳ができたら、実際の利用状況と突き合わせます。ここで初めて、過不足が見えてきます。
不足していれば、追加購入が必要です。契約違反の状態を放置するわけにはいきません。逆に余っていれば、次回更新時に減らす判断ができます。
この照合は、四半期に一度など頻度を決めて実施しましょう。年に一度だけでは、変化に追い付けないためです。
ソフトウェア名を統一して集計ミスを減らす
意外な落とし穴が、表記の揺れです。同じ製品を「MS Office」と「Microsoft Office」と書き分けると、別のソフトとして集計されてしまいます。
バージョンの書き方や、日本語表記と英語表記の混在も同じ問題を招きます。社内で使う正式名称の一覧を作り、表記をそろえておきましょう。地味な作業ですが、集計を正確に保つ土台になります。
IT資産管理ツールで情報収集を自動化する
手作業の限界を超える方法が、ツールの活用です。IT資産管理ツールを使えば、各端末にインストールされたソフトウェア情報を自動で収集できます。
期待できる効果は次の通りです。
- 棚卸しの自動化:1台ずつ確認する作業が不要になる
- 実態の可視化:申告漏れのソフトも検出できる
- 更新の即時反映:台帳と実態のずれが起きにくい
- 集計の効率化:一覧での出力や比較がすぐにできる
担当者の仕事が、確認から判断へ移る。これが最大の利点です。兼任で管理している企業ほど、効果を実感しやすいでしょう。
ソフトウェアの利用状況を効率よく把握するならWatchy
最後に、ライセンス管理の負担を減らす具体的な選択肢を紹介します。専任の担当者がいない企業でも扱いやすい設計であることが、選定のポイントになります。
Watchy(ウォッチー)は、株式会社スタメンが提供するクラウド型のIT資産管理・操作ログ管理ツールです。社内PCのハードウェア情報やソフトウェアのインストール情報を自動で収集し、管理画面上でまとめて確認できます。
ライセンス管理の場面では、次のような使い方ができます。
- ソフトウェア資産管理:端末ごとのインストール状況を自動収集
- 一括ダウンロード:収集した情報をCSVで出力して台帳と照合
- ハードウェア資産管理:端末情報に保有者などのメモを追記
- デバイス更新:Windows Updateの更新状況をまとめて確認
特徴的なのが、必要な機能だけを選んで契約できるモジュール式である点です。PC1台当たり1機能50円〜100円という価格設定で、使わない機能に費用を払う必要がありません。クラウド型のため社内サーバーの設置も不要です。
ライセンス管理は、契約違反を防ぐためだけの作業ではありません。不要なコストを削り、PC管理の負担そのものを軽くする取り組みです。まずは自社の利用状況を「見える化」するところから始めてみてはいかがでしょうか。
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