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シャドーAIとは?警戒すべきリスクや安全に利用するための対策6つを紹介
シャドーAIとは、会社が認めていないAIツールを従業員が勝手に業務で利用することを指していて、情報漏洩やコンプライアンス違反の火種となっています。
生成AIが手軽に使える今、多くの企業で気づかないうちに広がっているのが問題として挙げられているのがシャドーAIです。
実際、国内では従業員の生成AI利用が6割を超える一方、シャドーAI状態の企業が一定数あると報告されています。
総務省・経済産業省もAI事業者ガイドラインで適切な管理を求めており、放置は禁物です。当記事ではシャドーAIの意味からリスク、今すぐ始められる対策までを整理します。
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シャドーAIとは?

シャドーAIとは、企業が公式に承認・管理していないAIツールを、従業員が個人の判断で業務に利用することです。
会社の許可を得ずに、個人アカウントのChatGPTやGeminiに業務情報を入力するケースが典型例といえます。このセクションでは、シャドーAIが広がる背景・具体例・シャドーITとの違いを順に整理します。
シャドーAIが広がっている背景
シャドーAIが広がっている背景には、生成AIの急速な普及と導入のしやすさがあります。ブラウザさえあれば無料で使えるツールが増え、現場の従業員が個別に導入できるようになりました。
調査では、会社員の6割超が生成AIを業務利用し、約15%がシャドーAIの状態にあると報告されています。つまり「便利だから使う」という前向きな動機が、結果として管理外のシャドーAIを生み出しているのです。ガバナンス整備が普及スピードに追いついていない点も、拡大を後押ししています。
シャドーAIの具体例
シャドーAIの具体例は、身近な生成AIツールの無断利用が中心です。会社が導入を決めていないのに、従業員が個人契約のサービスへ業務データを入力する状況を指します。
代表的なシャドーAIには、次のようなものがあります。
| 種類 | 具体的なツール例 | よくある使われ方 |
|---|---|---|
| 文章生成AI | ChatGPT、Gemini、Claude | メールや資料の下書き、要約 |
| 画像生成AI | Midjourney、Stable Diffusion | 販促画像やイメージ作成 |
| 文字起こしAI | Notta など | 会議の議事録作成 |
いずれも便利な反面、入力した情報が社外のサーバーで処理される点が共通のリスクです。どのツールが使われているかを会社が把握できないことこそ、シャドーAIの本質的な問題といえます。
シャドーAIとシャドーITの違い
シャドーAIとシャドーITの違いは、対象となる技術の性質にあります。
シャドーITが未承認のIT全般を指すのに対し、シャドーAIはAIツールの無断利用に絞られた、より新しい課題です。
| 観点 | シャドーIT | シャドーAI |
|---|---|---|
| 対象 | 未承認のIT機器・クラウド全般 | 未承認のAIツール・サービス |
| 主なリスク | 不正アクセス、データ持ち出し | 入力情報の学習利用、著作権、誤情報 |
| 特徴 | 従来から知られる課題 | AI固有の複雑さが加わる |
AIでは入力データが学習に使われる可能性や、生成物の著作権問題など、従来のITにはなかったリスクが加わります。そのため、シャドーITの延長としてだけでなく、シャドーAI独自の観点でも対策を考える必要があります。
シャドーAIの主なリスク

シャドーAIに潜む主なリスクは、以下の5つが挙げられます。
- 機密情報や個人情報が漏洩する
- コンプライアンス違反につながる
- セキュリティリスクが拡大する
- ハルシネーションによって業務の質が低下する
- インシデント時の初動対応が難しい
なお独立行政法人IPAの情報セキュリティ10大脅威 2026では「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が上位にランクインし、シャドーAIは無視できない経営課題になっています。
機密情報や個人情報が漏洩する
シャドーAIで最も警戒すべきリスクの1つが、機密情報や個人情報の漏洩です。
無料の生成AIに業務データを入力すると、その情報は会社の管理が及ばない場所で保存・処理される場合があります。
実際、2023年には大手電機メーカーの技術者が機密ソースコードをChatGPTに入力し、情報が外部に流出した事例が知られています。入力内容が学習データとして使われれば、将来ほかの利用者への回答に反映されるおそれも否定できません。シャドーAIを放置するほど、こうした漏洩の可能性は高まっていきます。
コンプライアンス違反につながる
シャドーAIは、気づかないうちにコンプライアンス違反を招く点も見逃せません。
顧客情報や個人データを無断でAIに入力すれば、個人情報保護法やGDPRなどの法令に抵触する可能性があります。
さらに、生成物が他者の著作権を侵害してしまうケースも想定されます。管理外のシャドーAIでは、誰がどんなデータを扱ったかを追跡できず、違反が起きても説明責任を果たしにくくなります。法務・コンプライアンス上の観点からも、早めの統制が欠かせません。
セキュリティリスクが拡大する
シャドーAIが増えると、企業全体のセキュリティリスクが拡大します。
会社が把握していないツールが業務に入り込むほど、攻撃者に狙われる入り口が増えていくためです。
安全性が検証されていないサービスには、不正アクセスや情報の抜き取りといった危険がつきまといます。また、悪意ある指示を紛れ込ませる「プロンプトインジェクション」のような新しい攻撃手法も登場しています。シャドーAIの放置は、こうした脅威への備えを難しくします。
ハルシネーションによって業務の質が低下する
シャドーAIは、誤った情報の拡散によって業務品質を下げるおそれがあります。
生成AIは事実と異なる内容をもっともらしく出力する「ハルシネーション」を起こすことがあるためです。
その回答を検証せずに資料や顧客対応へ使えば、誤った情報が社内外へ広がってしまいます。管理されないシャドーAIでは、こうした出力のチェック体制も働きにくくなります。結果として、企業の信頼やブランドを損なう事態にもつながりかねません。
インシデント時の初動対応が難しい
シャドーAIの怖さは、問題が起きても初動対応が遅れる点にもあります。
会社が利用実態を把握できていないため、インシデントの発見そのものが遅くなりがちです。
どのツールでどんな情報が扱われたか分からなければ、原因の特定も再発防止も進みません。対応が後手に回るほど被害は広がり、収束にかかるコストもふくらみます。シャドーAIの「見えなさ」が、被害の深刻化を招くのです。
シャドーAI対策の進め方
シャドーAI対策は「全面禁止」ではなく「使える形で管理する」ことが基本です。過度な制限はかえって隠れた利用を助長するため、次の6つの対策をバランスよく進めるのが現実的です。
- 安全に利用できるAIツールを導入する
- AIの利用ルールを策定する
- 社内専用のAIを整備する
- 従業員へのセキュリティ教育を実施する
- 監視・検知体制を強化する
- AIガバナンス体制を整備する
安全に利用できるAIツールを導入する
シャドーAIを減らす第一歩は、安全に使えるAIツールを会社として用意することです。
従業員が「これを使えばいい」と分かる公式な選択肢があれば、無断利用に走る理由が薄れます。
選定時は、入力データを学習に使わない設定や、アクセス権限の管理機能があるかを確認しましょう。使い勝手が悪いと結局シャドーAIに戻ってしまうため、現場が使いやすいことも重要な条件です。安全性と利便性の両立が、対策を続けるカギになります。
AIの利用ルールを策定する
シャドーAI対策では、AIの利用ルールを明文化することが欠かせません。
入力してよい情報の範囲や禁止事項を定め、判断に迷わない基準を全社で共有します。
ルールは禁止事項を並べるだけでなく、実際の漏洩事例を交えて「なぜ必要か」を伝えると効果的です。策定にあたっては、総務省・経済産業省のAI事業者ガイドラインが参考になります。運用状況に合わせて定期的に見直すことで、シャドーAIの発生を継続的に抑えられます。
社内専用のAIを整備する
社内専用のAI環境を整えることも、シャドーAI対策として有効です。
外部に情報が出ない閉じた環境を用意すれば、機密情報を扱う業務でも安心してAIを活用できます。
自社データと連携した専用AIは、業務にフィットする回答が得られ、生産性の向上にもつながります。「安全な公式ルートのほうが便利」という状態をつくれば、シャドーAIへ流れる動機を根本から減らせます。自社の規模や予算に応じて、無理のない形から始めるとよいでしょう。
従業員へのセキュリティ教育を実施する
シャドーAIは、従業員一人ひとりのリテラシー向上なしには防げません。
多くのケースは悪意ではなく、リスクを知らないまま使ってしまうことから生まれるためです。
そこで、情報漏洩の具体例や入力してはいけない情報を、研修を通じて繰り返し伝えることが大切です。「なぜダメなのか」を実感できる内容にすると、ルールの定着度が高まります。継続的な教育が、シャドーAIを生まない企業文化づくりの土台になります。
監視・検知体制を強化する
シャドーAIを見える化するには、監視・検知の体制強化が必要です。Webフィルタリングやネットワークログの確認により、未承認AIへのアクセスを把握できるようになります。
ただし、監視は従業員を取り締まるためだけのものではありません。実態を可視化し、ルールや環境の改善につなげる前向きな仕組みとして運用しましょう。検知の仕組みがあることで、万一の際も初動対応を素早く進められます。
AIガバナンス体制を整備する
これらの対策を機能させるには、全体を束ねるAIガバナンス体制の整備が不可欠です。誰が責任を持ち、どう意思決定するかを決めておくことで、シャドーAI対策が単発で終わらなくなります。
ガバナンスの一例を整理すると、次のようになります。
| 要素 | 内容の例 |
|---|---|
| 責任体制 | AI利用の管理責任者・部門を明確化 |
| ルール運用 | 利用ポリシーの策定と定期見直し |
| モニタリング | 利用状況の把握と改善サイクル |
組織として一貫した方針を持てば、部門ごとの判断のばらつきも防げます。ガバナンスを軸に据えることが、シャドーAI対策を継続する近道です。
シャドーAIの対策ができるツール
シャドーAI対策を進めるには、社内のIT利用状況を可視化できるツールの活用が有効です。
「Watchy」は、IT資産管理・情報漏洩対策クラウドサービスで、シャドーAIの見える化や管理をすることができます。

Watchyを利用すれば、PCの操作ログやソフトウェア・Webの利用状況を見える化でき、未承認AIの利用を把握することもできるツールです。
WatchyがシャドーAI対策に役立つ主なポイントは次のとおりです。
| 機能 | シャドーAI対策での活用 |
|---|---|
| 操作ログ・Web操作監視 | 未承認のAIサービスへのアクセスを把握し、 シャドーAIを可視化 |
| ソフトウェア資産管理 | インストール済みツールを自動検出し、 利用実態を棚卸し |
| USBドライブ・フォルダー監視 | 機密情報の持ち出しや不用意な入力の兆候を検知 |
| ハードウェア資産管理 | どの端末で何が使われているかを一元管理 |
Watchyはクラウド型のため社内サーバーが不要で、専任の情シスがいなくても人事・総務の担当者が直感的に運用できます。
必要な機能を1台・1機能から選べるモジュール式で、PC1台あたり月額100円〜と低コストに始められる点も特長です。
シャドーAI対策の一歩として、Watchyのサービス資料を無料でダウンロードいただけます。
よくある質問
最後に、シャドーAIについて多く寄せられる質問にお答えします。
シャドーAIは企業にバレるものなのですか?
監視やログ確認の体制があれば、企業側が把握できるケースは増えています。個人端末や私用回線での利用は見えにくいため、ツールの提供とルール整備をあわせて進めることが大切です。
シャドーAIの代表的な事例を教えてください。
2023年に大手電機メーカーの技術者が機密ソースコードをChatGPTに入力し、外部へ流出した事例が知られています。ほかにも開発中の情報を外部AIに入力した例など、業種を問わず報告されています。
シャドーAIの利用率はどれくらいですか?
調査によって幅がありますが、会社員の6割超が生成AIを業務利用し、うち約15%がシャドーAI状態という報告があります。生成AIの利用率自体が高まるほど、シャドーAIの割合も増える傾向にあります。
シャドーAIのガイドラインはどう策定すればよいですか?
入力可能な情報の範囲、禁止事項、承認済みツール、違反時の対応フローを盛り込むのが基本です。総務省・経済産業省のAI事業者ガイドラインを土台にすると、抜け漏れなく整えられます。
シャドーAIのリスクについて警視庁はどう注意喚起していますか?
警察・公的機関は、生成AIを悪用した詐欺や情報漏洩への注意を継続的に呼びかけています。企業向けにはIPAや総務省・経済産業省が脅威情報やガイドラインを公開しているため、一次情報を定期的に確認することをおすすめします。
まとめ
シャドーAIとは、会社が承認していないAIツールを従業員が独断で業務利用することを指し、情報漏洩やコンプライアンス違反など多くのリスクを伴います。生成AIの普及とともに広がっており、もはやどの企業にとっても他人事ではありません。
対策の基本は「禁止」ではなく「使える形で管理する」ことです。安全なツールの提供、ルール策定、教育、監視、そしてガバナンス整備を組み合わせ、シャドーAIを見える化していきましょう。自社の対策状況を点検したい方は、チェックリスト付きの資料をぜひご活用ください。
Watchy編集部
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