社内のPCやクラウドサービスは、年々増えていませんか。誰がどの端末を使い、OSやソフトがどうなっているかを把握しきれず、何から手をつけるべきか迷う方も多いはずです。この記事では、IT運用管理の全体像を分かりやすく整理します。その上で、情シス不在の中小企業が優先すべき管理項目と、効率化の方法を解説します。
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目次
IT運用管理の基礎知識
まずは、IT運用管理とは何かを整理しましょう。IT運用管理という言葉は少し幅広く聞こえますが、簡単にいえば「会社で使うIT環境を、毎日問題なく使える状態に保ち、維持・管理していくこと」です。
例えば、社員が使うPC、社内ネットワーク、クラウドサービス、業務システム、ソフトウェアなどが正常に動くように確認し、必要に応じて対応する業務がIT運用に当たります。
ただし、IT運用と聞いても「保守とは何が違うのか」「PC管理も含まれるのか」「中小企業でも必要なのか」と疑問に感じる方もいるでしょう。そこでまずは、運用と保守の違いから見ていきます。
運用と保守の違い
運用と保守は似た言葉ですが、役割は異なります。違いを理解しておかないと、日々確認すべき業務と、トラブル時に対応すべき業務があいまいになってしまいます。
運用とは、ITシステムやPC、ネットワークなどを日常的に問題なく使える状態に保つ業務です。例えば、稼働状況の確認、ユーザーからの問い合わせ対応、バックアップの確認、アカウント管理などが該当します。
一方で保守は、故障や不具合への対応、またはトラブルを防ぐための点検や更新が中心です。例えば、機器の修理、部品交換、ソフトウェアの不具合修正、定期点検などが該当します。
違いを簡単に整理すると、次のようになります。
| 項目 | 運用 | 保守 |
| 目的 | 安定稼働の維持 | 障害対応と予防 |
| 主な業務 | 監視・問い合わせ対応 | 修理・点検・更新 |
| タイミング | 日常的・継続的 | 障害時・定期点検時 |
車に例えると、毎日安全に運転できるように状態を確認するのが運用、車検や修理を行うのが保守です。どちらも必要ですが、日々の業務を止めないためには、まず運用の仕組みを整えることが重要です。
IT運用管理が中小企業にも必要な理由
IT運用管理は、大企業だけに必要なものではありません。むしろ、限られた人数で業務を回す中小企業こそ、早めに整えておきたい取り組みです。
現在、多くの業務はPCやクラウドサービスの上で動いています。メール、チャット、顧客管理、会計、人事労務、ファイル共有など、どれか一つが使えなくなるだけでも、業務に大きな影響が出るでしょう。
特に中小企業では、専任の情報システム部門がないまま、総務や管理部門の担当者がIT管理を兼任しているケースも少なくありません。そのため、担当者の経験や記憶に頼るのではなく、誰でも確認できる仕組みをつくることが大切です。
IT運用管理担当者の主な仕事
IT運用管理担当者の仕事は、社内のIT環境を安定して使える状態に保つことです。PCやネットワーク、業務システム、ソフトウェアなどを日常的に確認し、トラブルの予防や問い合わせ対応を行います。
ただし、担当する範囲は企業によって異なります。専任の情シス部門がある企業では役割が分かれている一方、中小企業では総務や管理部門の担当者が兼任するケースも少なくありません。
ここでは、IT運用管理担当者が担う主な仕事を四つに分けて見ていきましょう。
ネットワークの状態を管理する
ネットワークは、社内のIT環境を支える土台です。インターネットにつながらない、社内システムにアクセスできない、通信が遅いといった問題が起きると、業務全体に影響します。
ネットワーク管理では、通信状況や機器の稼働状況を確認します。ルーターや無線LAN、社内回線などに異常がないかを把握し、問題があれば早めに対応できる状態をつくります。
異常を早く見つけられれば、業務停止の時間を短くできます。特にクラウドサービスを多く使う企業では、ネットワークの安定性がそのまま業務効率に直結します。
PCやソフトウェアを管理する
社員が日々使うPCやソフトウェアの管理も、IT運用管理の中心となる業務です。具体的には、次のような状態を管理します。
- 端末情報:機種や利用者、設置場所の把握
- ソフト構成:インストール済みソフトの一覧
- ライセンス:契約数と利用数の整合
- 更新状況:OSやソフトのバージョン管理
これらを把握しておくことで、不要なライセンス費用を見直したり、古いソフトの放置を防いだりできます。PC管理は、コスト削減とセキュリティ対策の両方に関わる重要な業務です。
定期処理が正常に終わっているか確認する
業務システムや定期処理が、予定通りに動いているかを確認することも大切です。
例えば、夜間に実行されるデータ処理、バックアップ、ファイル連携、帳票出力などが正常に完了しているかを確認します。処理が失敗しているのに気づかないまま放置すると、翌日の業務に支障が出る可能性があります。
日々の確認は地味な作業に見えますが、安定した業務運営を支える重要な役割があります。問題が大きくなる前に気づける状態をつくることが、IT運用管理の基本です。
ログから異常や不正を確認する
ログとは、機器やソフトの操作記録のことです。これを監視することで、異常や不正を早期に検知できます。
例えば、深夜の不審なログインや、短時間に連続する認証エラーなど、通常とは違う動きに気づけます。ログの監視は、セキュリティ対策の基本といえるでしょう。
記録を残しておけば、問題発生時の原因調査にも役立ちます。
情シス不在で起こりやすい課題
専任の情シス担当がいない中小企業では、特有の課題が生じがちです。ここでは、情シス不在の企業で起こりやすい課題を整理します。
管理業務が担当者に集中する
中小企業では、総務や経理、管理部門の担当者がIT管理を兼任するケースがあります。その結果、PC設定やアカウント管理、トラブル対応などが一人の担当者に集中しがちです。
このような状況では、担当者が休んだり退職したりすると、業務が止まりかねません。例えば、新入社員のPCを誰も設定できない、退職者のアカウント削除が漏れる、トラブル時に対応手順が分からない、といった事態です。
手作業で確認漏れが起こる
PC台帳やソフトウェアの利用状況を、Excelやスプレッドシートで管理している企業も多いでしょう。最初は問題なく使えても、PCの台数や利用者が増えると更新が追いつかなくなります。
手作業の管理では、入力ミスや更新漏れが起こりがちです。例えば、退職者のアカウントが残ったままになっていたり、古いPCの所在が分からなくなったりするケースがあります。
こうした小さな確認漏れが、情報漏洩や不正利用の入り口になることもあります。人の注意力だけに頼らない仕組みが必要です。
端末やソフトの状態を把握できない
社内PCの台数が増えると、全ての端末の状態を正確に把握するのは難しくなります。誰が使っているのか、OSは最新か、不要なソフトが入っていないかを確認できていない企業も少なくありません。
特に注意したいのが、OSやソフトウェアの更新漏れです。更新されていない端末は、セキュリティ上の弱点を抱えたまま使われることになります。
また、業務に関係のないソフトや出どころが不明なソフトが入っていると、ウイルス感染や情報漏洩のリスクも高まります。端末の状態を把握できていないこと自体が、すでにリスクといえるでしょう。
中小企業が優先すべき管理項目
IT運用管理の対象は広いため、全てを一度に整えようとすると負担が大きくなります。情報漏洩対策にもつながる項目から優先して取り組むのが現実的です。
まずは、PC管理とセキュリティ対策に関わる基本項目から始めましょう。
社内PCの利用状況を把握する
最初に取り組みたいのが、PCの利用状況の把握です。これはIT資産管理の第一歩といえます。
まずは、次の情報を一覧にまとめてみましょう。
- 端末台数:社内にあるPCの総数
- 利用者:各端末を使う社員名
- 設置場所:拠点や部署の情報
- 購入時期:導入や更新の時期
この一覧があれば、「PCが何台あり、誰がどれを使っているか」を常に把握できます。棚卸しやOS更新計画、買い替え予算の検討も、この一覧を土台に進められます。
OS更新状況を確認する
次に確認したいのが、OSの更新状況です。OSの更新が止まっている端末は、セキュリティリスクを抱えたまま使われている可能性があります。
OSの提供元は、脆弱性を修正するために定期的なアップデートを配布しています。これを適用しないと、すでに知られている弱点が残り続けてしまいます。
特に、サポートが終了したOSを使い続けるのは危険です。攻撃者に狙われやすくなるだけでなく、業務ソフトが正常に動かなくなる可能性もあります。
OSの更新状況を定期的に確認することは、情報漏洩対策の基本です。
不要ソフトの有無を確認する
業務に関係のないソフトウェアが、社内PCに入っていないかも確認しましょう。不要なソフトは、セキュリティリスクやライセンス違反の原因になることがあります。
例えば、社員が個人的にインストールした無料ソフトや、出どころが不明なツールが端末に残っているケースです。こうしたソフトには、ウイルスや不正なプログラムが含まれている可能性もあります。
また、使っていない有料ソフトが残っていれば、無駄なライセンス費用が発生しているかもしれません。定期的に棚卸しを行い、必要なソフトだけを使う状態に整えましょう。
操作ログで情報持ち出しに備える
情報漏洩を防ぐには、操作ログを記録しておくことも有効です。ログがあれば、誰が、いつ、どのような操作をしたのかを確認できます。
例えば、USBメモリへのコピー、外部へのファイル送信、大量のデータ移動などを記録できます。こうした操作が見える状態になることで、不正な持ち出しの抑止にもつながります。
IT運用管理を効率化する方法
管理すべき項目が分かったら、次に考えたいのが効率化です。大切なのは、担当者の頑張りに依存しない仕組みをつくることです。ここでは、少ない人手でもIT運用管理を続けやすくする方法を紹介します。
運用手順を決めて属人化を防ぐ
まず取り組みたいのが、運用手順の明文化です。手順書があれば、誰でも同じ作業ができます。
次のような手順をまとめておくとよいでしょう。
- 新入社員のPC設定手順
- 退職者のアカウント削除手順
- ソフトウェア利用申請の流れ
- PC故障時の連絡先と対応方法
- セキュリティ事故が起きたときの初動対応
手順は、最初から完璧である必要はありません。よく発生する業務から順に文書化し、運用しながら更新していくことが大切です。
PC情報を一元管理する
PC情報をバラバラに管理している場合は、一カ所にまとめることを検討しましょう。
PCの利用者、OSのバージョン、インストール済みソフト、ライセンス状況などを一覧で確認できれば、管理の手間は大きく減ります。
手作業の台帳では、更新漏れや入力ミスが起こりがちです。一方、管理ツールを使えば、端末情報を自動で収集できる場合があります。担当者が毎回確認しなくても、最新の状態を把握しやすくなるでしょう。
クラウド型で導入負担を抑える
管理ツールには、クラウド型とオンプレミス型(設置型)があります。中小企業では、導入や運用の負担を抑えやすいクラウド型が向いているケースが多いでしょう。
違いを簡単に整理すると、次のようになります。
| 項目 | クラウド型 | オンプレミス型 |
| 初期費用 | 抑えやすい | 高くなりがち |
| 導入の早さ | 早い | 時間がかかる |
| 管理の手間 | 少ない | 自社で対応 |
| 拡張性 | 柔軟 | 制約あり |
クラウド型なら、自社にサーバーを用意する必要がありません。導入の負担を抑えつつ、すぐに使い始められます。
操作しやすいツールを選ぶ
ツール選びでは、操作性も重要な基準です。使いこなせなければ、宝の持ち腐れになります。
専任担当がいない以上、直感的に使えるかは大切でしょう。例えば、専門知識がなくても画面を見るだけで操作できるか、という点が判断の目安になります。
導入前に、無料トライアルで操作感を試すのもおすすめです。現場が使い続けられるツールを選びましょう。
IT運用管理を見直し、情報漏洩リスクと管理負担を減らす
ここまで、IT運用管理の全体像と進め方を見てきました。情シス不在の中小企業では、全てを一度に整えるのではなく、まずPC管理と情報漏洩対策から始めるのが現実的です。
社内PCの利用状況、OSやソフトの更新状況、不要ソフトの有無、USBメモリやファイル操作のログなどを把握できれば、確認漏れや属人化を減らしやすくなります。しかし、これらをExcelや手作業で管理し続けるのは大きな負担です。
そこで役立つのが、クラウド型IT資産管理・ログ管理ツールの「Watchy(ウォッチー)」です。Watchyは、PC情報やソフトウェア情報の管理、フォルダー監視、USBドライブ監視、Web操作監視などに対応しています。この記事で紹介した「PC情報の一元管理」「不要ソフトの確認」「操作ログによる情報持ち出し対策」といった取り組みも、Watchyを活用すれば進めやすくなります。
必要な機能だけを選んで導入できるため、最初から大きな仕組みを作る必要はありません。まずは自社の課題に合わせて、PC管理やログ管理から小さく始められます。
IT運用管理の見直しは、情報漏洩リスクの低減と管理担当者の負担軽減につながります。手作業に頼る管理から脱却し、Watchyのようなツールを活用しながら、無理なく続けられる管理体制を整えていきましょう。
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