USBによるデータ持ち出しは、悪意がなくても起こり得るリスクであり、対策を後回しにするほど被害が拡大する傾向があります。この記事では、USBメモリが情報漏洩につながる理由から、制御の具体的な方法・セキュリティ機能付きUSBメモリの活用まで解説します。禁止か許可かの二択ではなく、業務への影響を最小限に抑えながら管理できる方法を中心に紹介します。

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USBメモリの業務利用に潜む3つのリスク

USBメモリは手軽なデータ共有手段として広く使われていますが、その手軽さがセキュリティ上のリスクにも直結しています。「うちは大丈夫」と思っていても、気づかないうちに深刻な問題が発生するケースは珍しくありません。まずは、USBメモリがどのようなリスクをはらんでいるかを整理します。

私物USBからのウイルス感染・社内ネットワーク拡散

従業員が私物のUSBメモリを業務用PCに接続した際、そのUSBにマルウェアが潜んでおり、PCを経由して社内ネットワーク全体に感染が拡大するリスクがあります。自宅PCや公共の場で使用した私物USBは、気付かないうちに感染している可能性があります。

1台のPCへの感染が、ネットワークで接続されている他のPCやサーバーへと連鎖的に広がるケースも報告されています。感染後の復旧には多大な時間とコストがかかり、業務が数日から数週間にわたって停止するリスクもあります。私物USBの接続を無制限に許可している状態は、社内ネットワークの入口を施錠せずに開け放っているのと同じ意味を持ちます。

情報が社外に持ち出されるリスク

USBメモリは小型ながら数十GB〜1TB級のデータを一度に持ち出せるため、顧客情報・取引データ・製品設計情報などの機密情報が短時間で大量に社外流出するリスクがあります。

悪意のある持ち出しだけでなく、「自宅で作業するために一時的にコピーした」という意識の低さによる漏洩も少なくありません。

情報が流出した場合、取引先や顧客への信頼失墜・損害賠償リスク・競合他社への技術情報流出など、取り返しのつかないダメージにつながります。「持ち出したデータがどこへ行ったか分からない」という状況になれば、被害の全容すら把握できなくなります。

USBの紛失・盗難による個人情報の流出

USBメモリは小さく持ち運びやすい半面、紛失や盗難のリスクが非常に高いデバイスです。通勤途中にかばんから落とした、カフェやタクシーに置き忘れたといった事例は、個人情報保護委員会への漏洩報告でも繰り返し確認されています。

暗号化されていないUSBメモリが第三者の手に渡れば、保存されていた顧客の個人情報や社内資料が丸ごと閲覧できる状態になります。個人情報保護法では、こうした情報漏洩が発生した場合、個人情報保護委員会への報告義務や本人への通知義務が生じます。さらに、原因調査・通知文書の作成・コールセンター設置・再発防止策の実施など、多岐にわたる対応コストが発生します。

小さなデバイス一つが、企業の信頼を大きく揺るがす原因になり得ます。

USBメモリの持ち出しを制御する方法

USBによるリスクに対処するためには、技術的な制御だけでなく、ルールや教育といった複数の対策を組み合わせることが重要です。「全面禁止にすれば解決」という考え方は現場の業務に支障を来すこともあるため、自社の実態に合った方法を選ぶことが大切です。

セキュリティポリシーの策定

まず取り組むべきは、USB利用に関するセキュリティポリシー(規則)の明文化です。「どのような場合にUSBの使用を認めるか」「私物USBの接続は禁止か」「会社支給のUSBのみ使用可とするか」といったルールを明確にし、全従業員に周知することが基本となります。

ポリシーに盛り込むべき主な要素には、USBの使用可否の基準・使用可能なUSBの種類や条件・使用時の申請・承認フロー・違反した場合の対応などがあります。ツールによる技術的制御も重要ですが、ルールが明文化されていなければ、従業員が「なぜ制限されているのか」を理解できず、抜け道を探す行動につながることもあります。ポリシーの策定と周知が、あらゆる対策の土台になります。

従業員へのセキュリティ教育を実施

ルールを定めるだけでなく、従業員がリスクを正しく理解することが重要です。「私物USBを使うとどんな危険があるのか」「万が一USBを紛失した場合にどう報告すべきか」という具体的な内容を、定期的な研修やeラーニングを通じて共有しましょう。

セキュリティ事故の多くは、悪意よりも「知らなかった」「大丈夫だと思っていた」という意識の低さから発生します。USB利用のリスクを具体的な事例を交えて伝えることで、日常的な行動の変容につなげることができます。入社時の教育だけでなく、定期的なリマインドを行うことも効果的です。

セキュリティ機能のあるUSBメモリを使う

業務上どうしてもUSBメモリを使用する必要がある場合は、セキュリティ機能が搭載されたUSBメモリを会社支給で使用することを検討しましょう。主な機能としては以下のものがあります。

USBメモリにあるセキュリティ機能

業務でUSBメモリの使用を完全には禁止できない場合、セキュリティ機能付きのUSBメモリを活用することでリスクを大きく抑えることができます。どのような機能があるかを把握した上で、自社の用途に合ったものを選びましょう。

パスワードロック機能

パスワードロック機能が搭載されたUSBメモリは、接続時にパスワードの入力を求めます。紛失や盗難が発生した場合でも、パスワードを知らない第三者がデータにアクセスすることを防げます。

ただし、パスワードの管理が適切に行われなければ効果が薄れるため、使用ルールの整備とセットで運用することが重要です。

データの暗号化

データ暗号化機能が搭載されたUSBメモリは、保存されるファイルを自動的に暗号化します。万が一紛失した場合でも、正規の復号ソフトウェアや暗号化キー(解除のための情報)がなければデータを読み取ることができないため、情報漏洩リスクを大幅に低減できます。

特に、個人情報や機密情報を持ち運ぶ業務がある場合には、暗号化機能付きのUSBメモリの使用を標準化することをおすすめします。

マルウェア対策

マルウェア対策機能が搭載されたUSBメモリは、接続時に自動でウイルススキャンを実行し、感染ファイルの検知や隔離を行います。これにより、USB経由でのウイルス侵入リスクを大きく低減できます。

さらに効果を高めるには、会社支給のセキュリティ機能付きUSBのみ使用可とし、私物USBの接続を禁止するポリシーと組み合わせることが有効です。

また、USBを接続した際に自動実行(オートラン)されるプログラムを無効化する設定をPCに施しておくことも、マルウェア感染対策として有効です。

USB持ち出し制御ならWatchyにお任せ

ポリシーの策定・教育・セキュリティ機能付きUSBの活用と並んで、ツールによる技術的な管理を組み合わせることで、USB持ち出し制御の実効性は大きく高まります。ここでは、クラウド型IT資産管理・操作ログ管理ツール「Watchy(ウォッチー)」のUSBドライブ監視機能を紹介します。

USBドライブ上のファイル操作ログを取得・アラート設定できる

WatchyのUSBドライブ監視機能では、USBドライブ上で行われたファイルの作成・削除・名称変更といった操作ログを記録します。さらに、USBドライブの取り付け・取り外しのタイミングも記録されるため、「誰が・いつ・どのUSBを接続したか」を事後に確認することができます。ログの保存期間は1年間で、CSV形式でのダウンロードにも対応しています。

また、指定したキーワードを含むファイルが操作された際や、USBドライブが接続・取り外しされた際にアラートを発生させる設定も可能です。重要な機密情報を含むファイルへのアクセスが発生したときにリアルタイムで通知を受け取れるため、「持ち出されてから気付く」ではなく「起きる前に察知する」体制を整えることができます。

USB利用の制限とログ取得を同一ツールで実現

WatchyのUSBドライブ監視機能は、ログ取得だけでなく、USBドライブの使用自体を制限することも可能です。全面禁止・会社管理のUSBのみ許可・特定のPCにのみ特定のUSBを許可するといった柔軟な設定ができるため、「業務上必要な場合には使えるが、私物USBは接続できない」という運用が実現できます。

「USB禁止にすると業務が止まる」という懸念を持つ企業でも、許可するUSBの範囲を限定する方法であれば現場への影響を最小限に抑えながらセキュリティを強化できます。制限とログ取得を同一ツールでまとめて管理できる点は、少人数で運用を担う中小企業にとって大きな利点です。

情シス不在の中小企業でもスモールスタートで始められる

WatchyはPC1台・1機能当たり月額50〜100円(税抜)で、必要な機能だけを選んで契約できます。USBドライブ監視機能も月額50円/台〜(税抜)から利用でき、社内サーバーの設置が不要なクラウド型のため、導入後すぐに運用を開始できます。

まずUSBドライブ監視だけをスモールスタートし、状況に応じてフォルダー監視やWeb操作監視を追加するという段階的な導入も可能です。15日間の無料トライアルで全機能を試してから本導入を判断できるため、「自社に合うかどうか分からない」という不安も解消できます。

Watchy(ウォッチー) - クラウド型IT資産管理・ログ管理ツール

USB持ち出し制御は「禁止」より「仕組みで管理する」時代へ

USBメモリによる情報漏洩リスクへの対応は、「全面禁止か、何もしないか」の二択ではありません。ログ取得・段階的な利用制限・セキュリティ機能付きUSBの活用・従業員教育を組み合わせることで、業務への影響を最小限に抑えながら情報漏洩リスクを大幅に下げることができます。

大切なのは、まず現状把握です。社内でUSBがどのように使われているかを棚卸しし、禁止すべき範囲と許可すべき範囲を整理した上で、ポリシーとツールの両面から対策を設計しましょう。USB管理を仕組み化しておけば、担当者の異動や交代があっても、一定のセキュリティ水準を維持し続けることができます。

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執筆者

Watchy編集部

従業員が安心して働ける環境を提供するための、IT資産管理、情報漏洩対策、労務管理に関するコンテンツを発信しています。

Watchyは、株式会社スタメンが運営するクラウドサービスです。企業のIT情報統制の課題やバックオフィスの課題を、情報システム担当者が手薄な状況でも、Watchyが解決。設定・運用の手間を最小化しながら、押さえるべきポイントを確実に押さえた企業統制の実現を支援します。

【株式会社スタメンについて】 東京証券取引所グロース市場上場。Watchy、TUNAGなど、人と組織の課題解決を実現するSaaSを展開。情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)及びプライバシーマークを取得。