リモートデスクトップソフトは、社外からオフィスPCを自在に操作し、テレワークを加速させるツールです。選定時は、商用利用の可否や接続方式、管理機能を吟味する必要があります。本記事では、選び方のポイントやおすすめソフト10選を詳しく解説します。
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目次
リモートデスクトップソフトの基礎知識
リモートデスクトップソフトは、低コストで安全に社内環境を再現できることから、テレワーク普及に伴い注目を集めています。主な機能や種類など、まずはリモートデスクトップソフトの基本を押さえておきましょう。
リモートデスクトップとは
リモートデスクトップとは、手元の端末を使って離れた場所にあるPCのデスクトップ画面を呼び出し、ネットワーク越しに遠隔操作する技術のことです。手元の端末には実データが保存されず、遠隔地のPC内でアプリケーションの実行や処理が行われます。
リモートデスクトップとよく比較されるVDI(デスクトップ仮想化)は、サーバー上に仮想的なデスクトップ環境を構築して利用します。一方、リモートデスクトップはオフィスのデスクにある物理的なPCをそのまま動かせるため、既存の環境を大きく変えずに導入することが可能です。
また、画面情報のみを転送する仕組みとなっているため、低スペックな端末や通信環境でも比較的スムーズに業務を進められます。
リモートデスクトップソフトの主な機能
リモートデスクトップソフトには、テレワークの利便性を高めるための多様な機能が備わっています。主な機能を以下の表にまとめました。
| 機能 | 内容 |
| 画面操作・共有 | 遠隔地にあるPCのデスクトップ画面を、手元の端末にリアルタイムで表示し操作できます。 |
| ファイル転送 | クラウドストレージなどを経由せず、手元の端末と遠隔地にあるPCの間でデータを直接送受信できます。 |
| リモート印刷 | 遠隔地にあるPC内の資料を、手元にあるプリンターで直接印刷できます。 |
| クリップボード共有 | コピー&ペーストの情報を共有し、テキストや画像をデバイス間でスムーズにやりとりできます。 |
| Wake-on-LAN | ネットワーク経由で信号を送り、電源がオフになっている遠隔地のPCを起動させることが可能です。 |
これらの機能を活用することで、オフィスにいるときと変わらない操作感で業務を進められるようになり、作業効率の低下を防げます。
リモートデスクトップソフトの種類
リモートデスクトップソフトは、主に「OS標準型」と「クラウド型」の2種類に大別されます。
OS標準型の代表例は、Windowsに標準搭載されている「リモートデスクトップ(RDP)」です。追加費用なしで利用でき、社内LANなど閉じたネットワーク内での接続に向いています。
一方、社外からアクセスする場合にはVPN(仮想専用線)の構築が必要になるなど、セキュリティ面での設定難易度がやや高くなります。
クラウド型は、専用のゲートウェイサーバーを経由して接続する方式です。Webブラウザや専用アプリからログインするだけで、複雑なネットワーク設定なしに外出先から安全にアクセスできます。
近年は、VPN不要で高速通信が可能なP2P方式を採用したソフトも増えており、テレワークの普及に伴って導入実績が急速に拡大しています。
リモートデスクトップソフトの選び方
リモートデスクトップソフトの導入では、いくつか注意すべき点があります。自社に合ったソフトを選ぶためのポイントを見ていきましょう。
商用利用の可否とライセンス体系の確認
リモートデスクトップソフトを選定する際は、ライセンス規約に注意しましょう。多くの無料ソフトは個人利用に限定されており、業務で使用すると規約違反と見なされるリスクがあります。
意図しない不正利用を防ぐためにも、商用利用が許可されているかの確認が必要です。
また、法人向けプランを検討する際は、初期費用や月額料金と併せて、ライセンスの体系も確認しましょう。インストール台数で課金されるのか、同時接続数で制限されるのかによって、運用コストは大きく変動します。
自社のユーザー数や利用頻度を照らし合わせ、最適なコストパフォーマンスを発揮する体系を見極めることが重要です。
自社のネットワーク環境に適した接続方式の選定
リモートデスクトップソフトを選ぶ際は、自社のネットワーク環境とセキュリティ要件に適合した接続方式を見極めることも重要です。
すでにVPN環境が整備されている企業なら、WindowsなどのOS標準機能を利用すれば、追加費用をかけずに導入できます。しかし、VPNは通信のボトルネックになりやすく、機器の脆弱性管理も負担になりがちです。
VPN環境がない場合や、より手軽に安全な環境を求める場合は、クラウド型を選ぶのがおすすめです。クラウド型は社内ネットワークの設定変更が不要であり、インターネットにつなぐだけで安全に利用を開始できます。
コストと運用負荷の双方を比較し、無理のない方式を選びましょう。
管理機能(端末一元管理・操作ログ)の充実度
オフィス外からのアクセスを許可する以上、セキュリティ事故を未然に防ぐための管理機能は必須です。特に重視したいのが、いつ・誰が・どの端末を利用したかを記録する操作ログ機能です。
詳細なログの記録は不正アクセスの早期発見に役立つほか、監視の目を意識させることで内部不正の抑止力としても機能します。
従業員の退職や端末紛失の際に管理者が即座に接続権限を無効化できるかも、リモートデスクトップソフト選びで確認すべきポイントです。ID削除のタイムラグは、情報漏洩の大きなリスク要因となります。
一元管理画面から迅速に権限をコントロールできる製品を選んでおけば、組織全体のガバナンスを維持できます。
導入実績が豊富で汎用性の高い定番ソフト3選
多くの企業で採用実績があり、長期間の運用に耐え得る安定性と充実したサポート体制が強みのリモートデスクトップソフトを紹介します。ビジネスの継続性を重視し、信頼できるインフラとして導入したい企業におすすめです。
Splashtop
Splashtopは、世界中で多くの企業に利用されているリモートデスクトップソリューションです。一般的なオフィスワークだけでなく、動画編集やCADといった負荷の高い作業でも遅延を感じさせない、高速なレスポンスを特徴に持ちます。
全ての通信を高度に暗号化しているほか、2段階認証やデバイス認証といった多層防御の仕組みも備わっており、社外からのアクセスでも高い安全性を維持できるのが強みです。
クラウド版に加え、自社サーバーで運用できるオンプレミス版も提供されているため、厳格なセキュリティポリシーを持つ企業でも導入しやすい柔軟性があります。
Splashtop 快適リモートアクセス&リモートサポート提供サービス
TeamViewer
導入のハードルが低いソフトを使いたいなら、クラウド型リモートデスクトップソフトのTeamViewerもおすすめです。複雑なVPN設定は不要で、インターネット環境さえあれば、IDとパスワードを入力するだけですぐに接続を開始できます。
PCやスマートフォンに加え、サーバーや産業用機器に至るまで、あらゆるデバイスに接続することが可能です。
通信は暗号化によって保護されており、最高水準のセキュリティが確保されています。遠隔操作によるトラブルシューティングや、AR(拡張現実)技術を活用した現場支援など、画面共有を超えた幅広い用途に対応できるのも魅力です。
個人利用は無料ですが、会社での利用や商用目的の場合はライセンス契約が必要です。
TeamViewer - デジタル ワークプレイス プラットフォーム
ISL Online
ISL Onlineは、世界30万社以上(国内2,500社以上)の導入実績を持つ、高セキュリティかつ低コストなリモートデスクトップソフトです。
オペレーター数や接続対象の端末数に制限がなく、同時に接続する数だけライセンスを購入するため、導入コストを抑えられます。
ワンタイム+常駐のハイブリッド接続です。1ライセンスでワンタイム接続・常駐接続・Web会議・チャットの4製品が全て利用できます。
柔軟な導入形態も強みです。パブリッククラウド・プライベートクラウド・オンプレミスなど、セキュリティポリシーに合わせて選択できます。
リモートコントロール/ワンタイム+常駐接続で使えるISL Online
導入コストや工数を最小限に抑えられるソフト3選
スモールスタートやシンプルな運用を求める企業向けのラインナップです。導入コストや工数をできるだけ抑えたい場合は、以下の3ソフトから検討してみましょう。
Chrome リモート デスクトップ
Chrome リモート デスクトップは、GoogleアカウントとChromeブラウザを利用し、高セキュリティにPCを遠隔操作できるツールです。個人・ビジネスを問わず、Googleアカウントがあれば誰でも無料で利用できます。
Chromeブラウザを介するため、OSを選ばない互換性の高さが魅力です。VPNなどの複雑なネットワーク設定も不要で、Googleのサイトから拡張機能を入れるだけで即座に使えます。
セキュリティ強度の高いGoogleの技術(WebRTC)を採用しており、安全な接続が可能です。外出先から自宅のPC操作、離れた同僚との画面共有、PCのリモートサポートなど、多様なシーンに対応します。
AnyDesk
AnyDeskは、超高速・低遅延な画面転送が特徴のリモートデスクトップソフトです。GUIに特化した専用ビデオコーデックにより、帯域幅が低い環境でもスムーズに動作し、高フレームレートを実現します。
Windows・macOS・Android・iOSなど、異なるOS間でもシームレスな接続が可能です。アプリのファイルサイズが非常に小さく、ダウンロードしてすぐに利用できます。
ファイル転送機能・セッション録画・チャット機能・リモートプリンタ機能など、多彩な機能を搭載しています。ホワイトボード機能では、画面上に直接描画しながらの指示が可能です。
高度な暗号化技術により安全なアクセスを提供します。無人アクセス機能を備えており、許可されたデバイスへは、パスワード設定により管理者なしで遠隔接続・操作が可能です。
高速な遠隔操作とリモートアクセスソリューション | AnyDesk
Windows リモート デスクトップ
一部のWindowsに標準搭載されているWindows リモート デスクトップは、VPNなしでも利用可能な、同一LAN内向けのソフトです。社外のPCから会社にあるPCをそのまま操作でき、業務環境を変えずにリモートワークができます。
Windows専用に設計されているため、他のサードパーティ製ツールよりも動作が安定しています。クリップボード(コピー&ペースト)や、リモートPCのデータを手元のプリンターで出力する機能が利用可能です。
インターネット経由で利用する場合、セキュリティ対策(VPNの利用やポート開放の制限)が必須です。簡単なセットアップを求める場合は、Chrome リモート デスクトップを選ぶとよいでしょう。
リモート デスクトップ ソフトウェアとは?| Windows 365
高度なセキュリティ・管理要件に対応するソフト4選
大規模運用や厳格なガバナンスが必要な企業には、高度なセキュリティ・管理要件に対応するソフトが適しています。おすすめソフト4選をチェックしましょう。
RemoteView
RemoteViewは、社内PCやサーバーへ外出先からセキュアにアクセスできる、高機能かつ高速な法人向けリモートデスクトップソフトです。
独自の描画技術により、動画閲覧やグラフィック作業でも遅延が少なく、ストレスのない高速・高品質な遠隔操作を実現します。
画面情報のみを転送するため操作端末にデータが残らず、情報漏洩のリスクを極小化することが可能です。2段階認証や接続IP制限など、強力なセキュリティ機能が搭載されています。
専用ソフトをインストールするだけで導入可能です。月額1,000円台から利用でき、無料トライアルも提供されています。
中小企業から大企業、金融機関まで幅広く採用されており、特に機密性の高いデータを扱う環境や、テレワーク・ハイブリッドワーク環境での生産性向上に貢献します。
RemoteView|企業向け遠隔制御で安心のテレワーク、OTリモート管理
LAPLINK 14
株式会社インターコムが提供するリモートデスクトップソフト「LAPLINK 14」は、高速・高精細な画面共有と安全な通信を実現する国産ツールです。
多様な接続方式を特徴に持ち、インターネット経由だけでなくLANやシリアル/モデム接続(電話回線)にも対応し、クローズド環境の保守も行えます。
複数PCへの一括インストール(プッシュインストール)が可能です。接続時のIPアドレス指定が不要で、簡単な登録名で接続できます。
通信は全て暗号化され、専用プロトコルを使用するため、なりすましや不正アクセスを防止できます。また、操作ログの記録も可能です。
1年間の無償保守が付属し、電話やメールでのサポートや、バージョンアップ版の無償提供を受けられます。
リモートコントロール(遠隔操作)ソフト LAPLINK 14 (ラップリンク 14)|インターコム
V-Warp
V-Warpは、専用USBを差し込むだけで社内PCへリモートアクセスできる、高セキュリティかつ簡単な法人向けリモートデスクトップソフトです。VPN構築や複雑なネットワーク工事を行わずに、理想のテレワーク環境を整備できます。
USB自体が暗号化されており、紛失時も管理画面から即座に利用を止められます。画面転送方式であるため、自宅のPCがウイルスに感染していても、社内ネットワークには影響を及ぼしません。
柔軟な料金体系で、1アカウントから契約可能です。ログインした月だけ費用が発生する従量課金プランもあり、たまにしかテレワークをしない場合でもコストを抑えられます。
リモートデスクトップ・リモートアクセスUSB | V-Warp
MagicConnect
NTTグループのNTTテクノクロス株式会社が提供するMagicConnectは、安全・簡単・高機能な法人向けリモートアクセスサービスです。
ユーザー名とパスワードに加え、端末固有情報を組み合わせた多要素認証を採用しており、不正アクセスを防止できます。
オフィスPCにプログラムをインストールするだけで、設定が完了します。既存のファイアウォール設定などを変更せずに導入できるため、管理者へ過度な負担がかかりません。
専用USBを挿し込むだけで使えるUSB型や、端末にインストールするアプリ型など、用途に合わせてツールのタイプを選べます。
信頼と実績のリモートアクセス MagicConnect(マジックコネクト)|NTTテクノクロス
自社に適したリモートデスクトップソフトを導入しよう
リモートデスクトップソフトは、情報漏洩リスクを抑えつつ、社外での円滑な業務を可能にするツールです。サービスを選ぶ際は、ネットワーク環境に合わせた接続方式や運用コストのバランス、商用利用の可否とライセンス体系などを考慮する必要があります。
また、ログ管理や権限設定などの機能も、セキュリティレベルを維持するために欠かせない要素です。自社の課題やセキュリティ要件に合った製品を見極め、安全かつ快適なテレワーク環境を構築しましょう。
Watchy編集部
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