企業の顧客情報は重要な資産である一方、従業員による不正な持ち出しの事例は少なくありません。退職時や転職時の情報の持ち出しは、企業に深刻な損害をもたらす可能性があります。情報の持ち出しが発生しやすい状況や、効果的な予防策について解説します。

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従業員による顧客情報持ち出しの現状

従業員による顧客情報の持ち出しは、意図的な不正行為だけでなく、業務上の利便性を優先した結果として起こるケースも少なくありません。

テレワークの普及や業務のデジタル化が進む中、従業員が顧客情報に触れる機会が増えており、内部リスクへの対策がこれまで以上に重要になっています。

顧客情報の持ち出しが起こりがちな状況とは?

顧客情報の持ち出しが起こりやすい状況として、まず挙げられるのが業務効率を理由にした私物端末の業務利用です。

自宅作業や外出先での業務対応のために、顧客情報をUSBメモリや個人のクラウドサービスへ保存する行為は、利便性が高い半面、セキュリティ上のリスクを伴います。

従業員が退職や異動の直前に顧客データを保存するケースもあり、悪意がなくても結果として情報の漏洩につながることがあります。 

特に、明確な情報管理のルールが整備されていない職場では、どこまでが許容範囲なのか従業員が判断できないことも珍しくありません。結果として、無意識のうちに情報を持ち出してしまう可能性があります。

こうした日常業務の中に潜む油断や、無意識的・慢性的な行為が、顧客情報の持ち出しの温床となっているのが実態です。

顧客情報の持ち出しが企業に与える影響

顧客情報が持ち出され、外部に流出してしまった場合、企業は多方面にわたり深刻な影響を受けてしまいます。最も大きいのは顧客からの信頼の低下であり、一度失われた信頼を回復するには、長い時間と多大なコストを払わなければいけません。

また、個人情報保護法違反として行政指導や罰金の対象となる可能性もあり、経営面への打撃も避けられないでしょう。各方面への謝罪対応や原因の調査、再発防止策の策定にも追われることになり、本来注力すべき事業活動が停滞する可能性があります。

特に、顧客情報の漏洩は単なる管理ミスでは済まされず、企業価値そのものを揺るがす問題になりかねません。被害を受けた顧客から損害賠償請求を受ければ、賠償金の支払いや訴訟対応のコストが発生する恐れもあります。

従業員による顧客情報持ち出しの事例

ある大手通信会社では、退職予定の営業担当者が約1万件の顧客情報を、個人のメールアドレスに転送していました。さらに転職先の競合企業で、その情報を営業活動に利用していたことが発覚しています。

同事例では、顧客からの問い合わせで不正が明らかになり、企業は謝罪対応と再発防止策の実施を余儀なくされました。

また、某金融機関では契約社員が顧客の口座情報を持ち出し、名簿業者に売却するという事件も発生しています。こちらは刑事事件に発展し、企業は監督官庁から業務改善命令を受けるなど、社会的信用を大きく失った事例として、広く知られるようになりました。

製造業のある企業でも、営業部長が長年築いた取引先リストを持ち出して独立開業し、元の会社の主要顧客を奪った事例があります。

顧客情報の持ち出しを防ぐための対策

上記の事例に共通するのは、情報へのアクセス権限を持つ立場の従業員が、退職前後のタイミングで計画的に持ち出しをしている点です。明確なルールや監視体制が整っていなければ、不正行為を事前に検知することは難しいのが実態です。

実際に起こった事件を踏まえて、従業員の顧客情報の持ち出しを防ぐための対策を考えましょう。以下で重要なポイントを解説します。

顧客情報管理ルールの明確化

顧客情報の持ち出しを防ぐには、まず情報の取り扱いに関するルールを明確に定める必要があります。どの情報が顧客情報に該当するのか、どの端末や媒体での利用を許可するのかを具体的に示すことで、従業員の判断に委ねる余地を減らしましょう。

ルールは文書化するだけでなく、実務に即した内容にすることが重要です。現場の業務実態と乖離した規定では、形骸化して守られなくなる可能性があります。加えて、違反時の対応や責任の所在を明確にして、社内できちんと共有しておきましょう。

アクセス権限管理の徹底

顧客情報へのアクセス権限を必要最小限に絞るのも、情報の持ち出しを防止するのに効果的です。全従業員が同じ情報にアクセスできる状態では、不正や誤操作の恐れがあります。業務内容や役割に応じて閲覧・編集できる範囲を設定し、不要になった権限は速やかに見直しましょう。

特に、従業員の異動や退職のタイミングで権限管理が甘くなると、情報持ち出しのリスクが高まります。定期的なアカウント情報の棚卸しをして、現状に即したアクセス権限が付与されているかを確認することが重要です。また、一定期間利用のないアカウントを自動的に無効化するなど、運用面での対策も必要です。

技術的対策による抑止

技術的な対策を講じることで、人的ミスや不正行為を抑止することも重要です。例えば、外部記憶媒体へのデータ書き出しを制限したり、社外へのファイル送信を監視したりする仕組みにより、ルール違反を物理的に防げるようにしましょう。

また操作ログを取得し、誰が・いつ・どの情報にアクセスしたかを可視化すると、不正の抑止効果も高まります。ただし技術的対策は、従業員を監視するためではなく、企業と従業員の双方を守る仕組みとして導入することが重要です。

従業員教育と意識向上の取り組み

顧客情報の持ち出しを防ぐためには、従業員一人一人の意識の向上も欠かせません。情報セキュリティに関する教育を定期的に実施し、ルールの順守が必要なのか理解してもらうことが重要です。

単なる注意喚起ではなく、実際の事例を交えながら説明することで、リスクを自分事として捉えやすくなります。

さらに、新入社員や異動者への教育も徹底し、認識のばらつきを防ぎましょう。さまざまな方法で継続的に教育することで、組織全体のセキュリティ意識を底上げできます。

ツールの導入による持ち出しの防止

専用のセキュリティツールを導入することで、より確実に情報の持ち出しを防止できます。情報漏洩対策として使えるツールは、ファイルの外部持ち出しをリアルタイムで監視し、不正な操作を検知した際には自動的にブロックする機能を持っています。

また、デバイス制御ツールを使えば、USBメモリや外付けハードディスクなどの記録媒体の使用を制限し、許可されたデバイス以外は接続できない設定が可能です。

クラウド型のセキュリティサービスならば、社外からのアクセスも含めて一元的に監視できるため、リモートワーク環境下でも安全性を確保できます。 

これらのツールは単独ではなく、複数を組み合わせて多重防御の体制を構築することで、持ち出しのリスクを大幅に低減できます。この機会に、自社の環境に合ったツールの導入を検討してみましょう。

顧客情報の持ち出し対策はルールと技術の組み合わせが重要

顧客情報の持ち出しは、企業に深刻な損害をもたらすリスクであり、その対策は経営上の重要な課題です。効果的な防止策を実現するには、明確なルールの整備はもちろん、厳格なアクセス権限管理や、技術的な防御システムの導入が必要です。

さらに、従業員教育によるセキュリティ意識の向上も欠かせません。ルールと技術を組み合わせた総合的な対策を実施し、定期的に見直しと改善を繰り返すことで、強固な情報管理体制の構築を目指しましょう。

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執筆者

Watchy編集部

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