マウスジグラーはマウスを自動的に動かして、PCのスリープ状態を防ぐツールです。本来は作業効率化を目的としたものですが、勤務状況を偽装する不正な使い方も問題視されています。マウスジグラーの種類や仕組み、企業が取るべき対策を解説します。
<IT資産管理・情報漏洩対策をPC1台100円から!手軽に始めるならWatchy>
→PDF資料をまずはダウンロードする
目次
マウスジグラーとは?
マウスジグラーは、一定間隔でマウスカーソルを微細に動かすことで、PCが「操作中」と認識する状態を維持するツールです。本来は長時間の資料閲覧や監視業務など、操作は少ないが画面を維持したい場面で使われてきました。
しかしリモートワークの環境では、チャットツールや勤怠管理システムなどの入力操作の有無を、在席判断の材料にするケースが多くあります。そのため、実際には作業していなくても稼働しているように見せる目的で使われることが増えており、近年問題視されています。
マウスジグラーの種類や仕組み
マウスジグラーには大きく分けて、ソフトウェア型とハードウェア型の2種類があります。それぞれ動作原理や検出の難易度が異なるため、両者の特性を理解しておきましょう。
ソフトウェア型マウスジグラー
ソフトウェア型のマウスジグラーは、PCにインストールするアプリケーションや、スクリプトとして動作します。
マウスジグラーは、設定された間隔でマウスカーソルを微小に動かしたり、キーボード操作を模倣したりすることで、あたかも継続的にシステムを操作しているかのように見せかけるツールです。
多くの場合、無料または低価格で入手可能で、インターネット上で簡単にダウンロードできるため、利用のハードルが低いのが特徴です。
一方で、OS上のバックグラウンドプロセスとして常駐するため、タスクマネージャーやプロセス監視ツールで検出できる可能性があります。
ハードウェア型マウスジグラー
ハードウェア型マウスジグラーは、USBポートに接続する物理的なデバイスとして機能します。マウスとPCの間に接続される中継型や、マウスの下に置いて物理的に振動させるタイプなど、さまざまな形態があります。
中継型デバイスの場合、PCには通常のマウスとして認識されながら、定期的に微細な動きを追加することで自動操作を実現します。物理振動型の場合は、実際のマウスを機械的に揺らすことで、ソフトウェア的には完全に正規の入力として記録されるのが特徴です。
ハードウェア型のマウスジグラーは、ソフトウェアのインストールが不要であり、基本的にプロセス監視では検出できません。PC側からは正規のUSBマウスやHIDデバイスとして認識されるため、通常のセキュリティソフトでは判別が困難です。
マウスジグラーを使った「サボり」が増えている?
リモートワークの普及に伴い、企業は従業員の勤務状況を把握するために、さまざまな監視ツールや勤怠管理システムを導入しています。これらのシステムの多くは、PCの操作状況やオンライン状態を基に、稼働時間を記録する仕組みです。
しかし近年は、実際に仕事をしていないにもかかわらず、マウスジグラーを使って「勤務中」として記録させる不正行為が問題視されるようになりました。
海外メディアでは、マウスジグラーの販売が急増しているとの報道もあり、実際に大手企業で不正利用が発覚し、懲戒処分となった事例もあるようです。
こうした行為が成立してしまう背景には、操作の有無だけを基準に勤務状況を判断する管理手法があります。
入力が続いていれば稼働中と見なす仕組みでは、マウスジグラーを使うことで従業員が仕事をサボる可能性も考えられるため、企業としてきちんと対策を立てる必要があります。
マウスジグラーによる「サボり」を防ぐには?
マウスジグラーを使った不正行為を防ぐためには、技術的な対策と運用面での工夫を組み合わせることが重要です。単一の手法に頼るのではなく、多層的なアプローチによって検出精度を高める必要があります。
ここでは具体的な対策手法として、入力パターンの解析や操作ログの活用、USBデバイス管理の三つの方法を解説します。
入力パターンの解析による不自然な操作の見極め
マウスジグラーによる自動操作は、人間の自然な操作とは異なるパターンを示すことがあります。例えば、一定の間隔で規則的にカーソルが移動したり、常に同じ軌道を描いたりといった特徴です。クリック操作を伴わない移動だけが続くケースもあります。
こうした不自然なパターンを検出するため、機械学習やアルゴリズムを用いた解析ツールが開発されています。これらのツールは、通常の業務における操作パターンを学習し、統計的に異常な動きを検出することで、マウスジグラーの使用を推定するものです。
ただし高度なマウスジグラーの中には、ランダムな動きを生成したり、人間の操作パターンを模倣したりするものもあるため、完全な検出は難しいのが実態です。
また、個人の操作癖や業務内容によっては誤検知のリスクもあるため、あくまで疑わしい行動の一次スクリーニングとして活用し、他の指標と組み合わせて総合的に判断する必要があります。
操作ログ・アクティビティログの活用
アプリケーションの使用状況やファイルのアクセス履歴など、多角的なアクティビティログを収集・分析することで、実質的な業務実態をより正確に把握できます。
例えば、マウスは動いているのにアプリケーションの切り替えがなかったり、ファイルの編集履歴がなかったりする状況は、マウスジグラーが使用されている可能性があります。
さらに、作業成果物の生成タイミングと操作ログの関連性を分析することで、実際の生産性と記録上の稼働時間との違いの確認が可能です。
こうしたログ分析には専用のツールやシステムが必要ですが、単なるマウス操作の監視よりも信頼性の高い勤務実態を把握できます。ただし従業員のプライバシーに配慮し、監視の範囲や目的を明確にした上で運用する必要があります。
USBデバイス管理によるハードウェア型対策
ハードウェア型のマウスジグラーに対しては、USBデバイスの接続を管理・制限する手法が有効です。企業のIT部門が承認したデバイスのみを接続可能にすることで、未登録のUSBデバイスの使用を防げます。
デバイス管理ツールを導入すれば、接続されたデバイスの種類や製造元の情報、接続日時などを記録し、不審なデバイスの使用の検出が可能です。
特に、業務で使用しないデバイスが同時に認識されている場合や、見慣れないIDを持つデバイスが接続されている場合などは、マウスジグラーの使用が疑われます。
さらにUSBポートを物理的に無効化したり、専用のセキュリティソフトウェアで制御したりできるツールもあります。この機会に導入を検討してみるとよいでしょう。
ただし、業務上必要な外部デバイスの使用を過度に制限すると、利便性が損なわれる可能性があるため、適切なバランスを保つことが重要です。
技術的な対策だけに依存しない運用も大切
マウスジグラーへの対策は、ツールの検知やログ分析といった技術的な手段だけで完結するものではありません。
こうした対策を強化するほど、形式的なルールをかいくぐろうとする行為が生まれる可能性もあります。監視や制御は、あくまで補助的な位置付けとして捉えるようにしましょう。
基本的な対策は必要ですが、さらに成果や業務プロセスを適切に評価できる仕組みを整えて、従業員が不要な不安を感じずに働ける環境をつくることが大切です。
Watchy編集部
従業員が安心して働ける環境を提供するための、IT資産管理、情報漏洩対策、労務管理に関するコンテンツを発信しています。
Watchyは、株式会社スタメンが運営するクラウドサービスです。企業のIT情報統制の課題やバックオフィスの課題を、情報システム担当者が手薄な状況でも、Watchyが解決。設定・運用の手間を最小化しながら、押さえるべきポイントを確実に押さえた企業統制の実現を支援します。
【株式会社スタメンについて】 東京証券取引所グロース市場上場。Watchy、TUNAGなど、人と組織の課題解決を実現するSaaSを展開。情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)及びプライバシーマークを取得。

