メールサーバーの履歴は送受信状況の把握やトラブル対応、情報漏洩対策の観点から重要なデータです。適切な方法で確認・管理することで、業務の透明性やセキュリティを高められます。メールサーバーの履歴の確認方法や、管理のポイントを解説します。

メールサーバーの履歴とは?

メールサーバーの履歴とは、社内外でやりとりされたメールの送信・受信に関する記録です。具体的には、送信者や受信者のアドレスをはじめ、件名・送受信日時・メールサイズ・添付ファイルの有無などを指します。

これらの履歴は、通信経路の確認や不達メールの原因調査、セキュリティ監査などに活用されます。また、内部統制やコンプライアンスの観点からも、一定期間のログの保存が必要です。履歴の内容や保存期間は、利用しているサーバーやシステムの設定などによって異なるため、自社の環境に合った管理体制を構築しなければいけません。

メールサーバーの履歴を確認する方法

メールサーバーの履歴を確認する方法には、複数のアプローチがあります。以下で代表的な方法を確認しておきましょう。

メールサーバーの管理画面から履歴を確認する

多くのメールサーバーには、Web上で操作できる管理画面が用意されています。管理者アカウントでログインすることで、送受信履歴やログの情報を一覧で確認できます。管理画面では、ユーザーごとの送信状況や、特定期間の通信履歴を簡単に確認できるため、社内のメール運用を把握するのに便利です。

特にクラウド型メールサービスの場合、履歴の表示や検索が直感的に行える設計が多く、管理者の負担を軽減できます。さらに、最近の管理画面では期間指定や条件検索、CSVファイルへのエクスポート機能なども標準で備わっており、監査や報告資料の作成にも活用できます。

サーバーログファイルを直接参照する

オンプレミス型のメールサーバーを利用している場合、サーバー上に保存されているログファイルを直接参照することで、詳細な履歴を確認できます。ログファイルにはメールの送信元・宛先IPアドレスや、通信経路・エラーメッセージなど、トラブル解析に役立つ情報が含まれています。

特に、不達メールや迷惑メールの原因調査では、ログの解析が欠かせません。ただし、ファイル形式や記録内容がサーバーソフトウェアによって異なるため、ある程度の専門知識が必要です。誤ってログを削除したり改変したりすると、調査データが失われる可能性もあるため、操作前にはきちんとバックアップを取ることが重要です。

履歴確認時の検索・フィルタリングの活用

メールサーバーの履歴は膨大なデータ量になるため、効率的に確認するには検索機能やフィルタリングを活用することがポイントです。送信者名やドメイン・期間などを指定することで、必要な情報を素早く抽出できます。

特に、セキュリティ調査やトラブル発生時には、時間帯や宛先を絞り込んで確認することで、早期に原因の特定が可能です。また、フィルタ設定を定期的に見直すことで、日常的なモニタリングも効率化できるでしょう。

さらに定期的に確認が必要な項目については、検索条件を保存しておくか、スクリプトを作成して自動化することで、管理業務の効率化につながります。

メールサーバーの履歴を管理する際の注意点

メールサーバーの履歴は、業務上の重要な情報を含むため、適切な管理が欠かせません。まず、保存期間を明確に定めて、不要なデータを放置しないことが重要です。法令や社内規定で定められた期間はログを保持しなければなりませんが、過度に長期間保存すると容量を圧迫し、パフォーマンスに影響します。 

一般的には3カ月から一年程度の保存期間を設けて、古いログを定期的にアーカイブまたは削除する運用が推奨されます。また、個人情報保護の観点から、アクセス権限を厳格に管理することが重要です。メールの履歴には機密性の高い情報が含まれるため、閲覧できるのは必要最小限の管理者に限定し、アクセスログも記録しましょう。

加えて、ログファイルのバックアップも重要で、サーバーの障害時に履歴が失われないように、別の場所に保管する必要があります。ログの改ざん防止のため書き込み権限を制限し、可能であればタイムスタンプやハッシュ値を記録して、真正性を担保することも大切です。

メールサーバーの履歴を安全に管理する

メールサーバーの履歴は、業務の透明性やトラブル対応に不可欠な情報資産です。適切な方法で確認し、安全に管理することで、情報漏洩や不正利用のリスクを抑えられます。管理画面やログファイルを通じて定期的に履歴を点検し、アクセス制御やバックアップの体制も整備しておきましょう。

また、社員に対しても運用ルールを周知し、メールの利用に関するセキュリティ意識を高めることが大事です。日常的な履歴の確認とともに保護体制の強化を図り、安全で信頼性の高いメール環境を維持しましょう。

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執筆者

Watchy編集部

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