社内のITシステムの安全性と信頼性を確保する上で、ログ管理は重要な役割を果たしています。ログ管理の必要性や実践のポイント、おすすめのログ管理ツールを紹介します。ログを適切に記録・分析できる体制をつくるため、参考にしてみましょう。

ログ管理の必要性と注目されている背景

サイバー攻撃の巧妙化や多様な働き方の普及、法令遵守の厳格化などを背景として、ログ管理の必要性が急速に高まっています。まずはログ管理の必要性について、企業が押さえておくべき点を解説します。

サイバー攻撃や内部不正の兆候を検知するため

サイバー攻撃は年々巧妙化しており、従来のセキュリティ対策だけでは、完全には防げないケースが増えています。外部からの侵入や不正アクセスの痕跡を検知するには、日々蓄積されるログの監視が欠かせません。

また多くの企業にとって、社員による内部不正も無視できないリスクです。特定のファイルへの繰り返しアクセスや、勤務時間外のログインなど、ささいな行動のログが不正の兆候となることがあります。こうしたリスクを早期に発見するには、定期的なログ分析が非常に重要です。

法令や規制・ガイドラインに準拠するため

個人情報保護法や金融業界における各種ガイドラインなど、企業にはアクセスログの保存・監視が、法的に求められるケースが増えています。ISMSなどの認証取得時にも、重要なシステムへのアクセスログの取得と、定期的な確認が必須要件とされているのが一般的です。

多くのガイドラインでは、最低1年間のログの保存が推奨されており、業種によってはさらに長期保存が義務付けられる場合もあります。適切なログ管理体制を整えておくことで、監査や法令対応時に迅速に証拠を提示でき、企業の信頼性の向上につながります。

多様な働き方に合わせるため

テレワークやフレックスタイム制など、多くの企業で社員の働き方が多様化する中で、社内でIT資産がどのように使われているか、正確に把握するのが難しくなっています。

特に、社外からのアクセスやクラウドサービスの利用が増えることで、従来のオフィス中心のセキュリティ体制では、十分にカバーできない場面が出てきました。

そこで、ログの管理を通じて、「どこから」「誰が」「どのような操作をしたのか」を記録しておくことで、不正やトラブルを未然に防ぐことが重要です。ログを活用すれば、テレワーク時の業務実態やセキュリティリスクも客観的に評価でき、システムの安全性の担保につながります。

IT資産の監査対応やコスト最適化のため

IT資産の適切な管理や内部統制の観点からも、ログは重要な監査証跡です。IT資産の使用状況を正確に記録・保存しておくことで、監査対応時の証拠の提出や、不正利用・運用ミスの早期発見につながります。

従来の台帳管理だけでは把握できない、実際の利用状況をログで補完することで、IT資産の有効活用やコストの最適化にも寄与します。

ログ管理で意識すべきポイント

ログの管理を徹底するには、単なるログデータの保存にとどまらず、収集対象や運用ルールの明確化や、環境に合ったツールの選定など、多角的な視点が必要です。ログ管理で意識すべきポイントを確認しておきましょう。

収集すべきログを明確にする

ログには多くの種類があり、全てを網羅的に収集するのは現実的ではありません。まずは、収集すべきログを明確にする必要があります。どの業務に対してどのログを、どのレベルで取得すべきかを、あらかじめ整理しておきましょう。

例えば、ファイルの操作ログやWebのアクセスログに加えて、USBデバイスの使用履歴やアプリケーションの起動記録など、目的に応じて対象を絞ることが大事です。ログの量が膨大になると収集・分析に時間がかかるため、実務に直結するデータにフォーカスしながら、管理すべきログの優先順位を付けておきましょう。

アクセス権限と運用ルールを整備する

ログには機密性の高い情報が含まれるため、管理には明確なアクセス権限の設定が欠かせません。誰がログを閲覧・編集できるのか、厳密に定めることで、不正な改ざんや情報漏洩の防止につながります。

また、ログの保存期間を明確にするとともに、データのバックアップや分析結果の取り扱いなどに関しても、社内ルールとして文書化しておくことも大事です。

ログ管理に役立つツールを活用する

膨大なログデータを、手作業で管理するのは現実的ではありません。専用のログ管理ツールを導入し、ログの自動収集や検索・分析・レポート作成まで、できる限り自動化・効率化することが重要です。

ツールを選定する際には、収集可能なログの種類や分析機能に加えて、検索性や他のシステムとの連携性なども確認する必要があります。自社の規模や運用体制に合ったツールを選ぶことで、管理負荷の軽減と運用効率の向上を図りましょう。

おすすめのログ管理ツール

それでは、おすすめのログ管理ツールを紹介します。それぞれの公式サイトも確認しつつ、収集できるログの種類や実装されている機能、サービスベンダーのサポート体制などをチェックしてみましょう。

SKYSEA Client View - Sky株式会社

「SKYSEA Client View」は、クライアントPCの操作ログや資産情報を、一元管理できる統合型ツールです。操作ログの取得のみならず、USB機器の制限やリモート操作など、多彩な機能を搭載しており、情報漏洩や内部不正の対策が可能です。

直感的なUIで操作が分かりやすく、大規模な環境でも安定して運用できます。導入実績も豊富で、教育機関や官公庁・民間企業を問わず、幅広く支持されているサービスです。オンプレミス版に加えて、クラウド版も利用できます。

SKYSEA Client View(オンプレミス版)│ITセキュリティ対策とリスクの発見を支援

MCore - 住友電工情報システム株式会社

「MCore」は、IT資産管理とログ管理を融合したプラットフォームであり、企業のコンプライアンス体制の強化に役立つツールです。利用者のPC操作履歴や、Webアクセス履歴などを詳細に記録し、不審な動作を自動で検知する機能を備えています。

また、IT資産の台帳管理機能も充実しており、監査対応にも役立ちます。こちらもクラウド型とオンプレミス型の両方に対応しており、自社の運用ポリシーに合わせた柔軟な運用構成が可能です。

IT資産管理システム MCore | 住友電工情報システム

MaLionCloud - 株式会社インターコム

「MaLionCloud」は、クラウド上でログ管理とIT資産管理が可能なソリューションで、中小企業から大規模組織まで幅広く導入されています。PCやモバイル端末の操作ログを自動収集し、WebアクセスやUSB利用・アプリケーションの起動・終了、印刷履歴など幅広い情報の記録が可能です。

インシデント発生時の迅速な対応を支援する管理画面も充実しており、セキュリティと利便性のバランスに優れた製品です。電話で質問できる、保守サポートサービスも充実しています。

クラウド型情報漏洩対策+IT資産管理・MDMツール MaLionCloud(マリオンクラウド)|インターコム

ログ管理・IT資産管理なら「Watchy」がおすすめ

ログ管理は、企業の情報セキュリティと業務継続性を支える重要な要素です。サイバー攻撃の高度化や働き方の多様化といった環境変化に対応するには、包括的かつ戦略的なログ管理アプローチが必要です。適切なツールの選択と運用体制の整備により、IT資産を保護しつつ、効率的な業務運営を目指しましょう。

なお、IT資産管理を徹底するならば、情報セキュリティの向上と、業務効率化を強力にサポートする「Watchy」の導入もおすすめです。IT資産の台帳管理と操作ログの収集・分析を一元化でき、セキュリティインシデントの対応や、監査対応まで幅広くカバーしています。

さらに必要な機能のみ厳選して導入できるので、低コストで運用を始められるのも強みです。この機会にぜひ、導入をご検討ください。

Watchy(ウォッチー) - クラウド型IT資産管理・ログ管理ツール

低コスト&簡単運用 必要な機能だけを導入!だから低コストに始められる 低コスト&簡単運用 必要な機能だけを導入!だから低コストに始められる
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執筆者

Watchy編集部

従業員が安心して働ける環境を提供するための、IT資産管理、情報漏洩対策、労務管理に関するコンテンツを発信しています。

Watchyは、株式会社スタメンが運営するクラウドサービスです。企業のIT情報統制の課題やバックオフィスの課題を、情報システム担当者が手薄な状況でも、Watchyが解決。設定・運用の手間を最小化しながら、押さえるべきポイントを確実に押さえた企業統制の実現を支援します。

【株式会社スタメンについて】 東京証券取引所グロース市場上場。Watchy、TUNAGなど、人と組織の課題解決を実現するSaaSを展開。情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)及びプライバシーマークを取得。