2025年現在、テレワークはコロナ禍の急拡大から落ち着きを見せており、新たな働き方の模索も進んでいる状況です。一方で、さまざまな課題を抱えている企業も目立ちます。テレワーク・リモートワークの実態や、企業に求められる対策を確認しておきましょう。
目次
テレワーク・リモートワークの浸透状況
2020年前後のコロナ禍において、一気に普及したテレワークですが、2025年に入りその実施率や目的に変化もみられます。全国の就労状況や企業の対応の違いに注目しつつ、現在の浸透状況を確認しておきましょう。
全国の雇用型テレワーカーの割合
国土交通省による「令和6年度テレワーク人口実態調査」によると、2024年に企業に雇用されているテレワーカーの割合は、全国で約24.6%です。2021年の27.0%から毎年徐々に減少しており、今後も減少傾向が続くと考えられます。
ただし、首都圏ではいまだテレワーカーの割合が多く、2024年は37.5%となっています。2020年以降は3割超の水準を維持している状況です。
※出典:令和6年度 テレワーク人口実態調査 -調査結果(概要)-|国土交通省
テレワーク・リモートワークの実施率は減少傾向
同様に「令和6年度テレワーク人口実態調査」によると、2024年における直近1年間の全国のテレワーク実施率は15.6%です。こちらもコロナ禍から徐々に減少している状況であり、2023年の16.1%から0.5%減っています。
首都圏では地方よりもテレワークの実施率が高いものの、こちらも2023年の28.0%から27.2%とわずかに減少傾向にあります。特に、若手社員の育成やチームの一体感を重視する企業では、段階的な出社の再開が進んでいるようです。
一方で、コロナ禍以前に比べると、やはりテレワークの実施率は高い水準にあり、週数日の在宅勤務を認めるなど、働き方の選択肢として残す企業も増えています。
ハイブリッドワークを実施する企業が増加
近年は、完全なテレワークやリモートワークから、オフィス出社と組み合わせたハイブリッドワークにシフトする企業が増えている状況です。
これには企業側の都合もありますが、ハイブリッドワークを望む社員が増えている点も、背景にあります。上記の「令和6年度テレワーク人口実態調査」によれば、雇用型テレワーカーの7割以上は、週に1日以上の出社と組み合わせた、ハイブリッドワークを希望しているようです。
特にIT系や専門サービス業では、週数日の在宅勤務を選択できる制度を、積極的に採用する企業が多くあります。一人一人の社員の事情や業務内容に応じて、柔軟に働き方を選べる仕組みを取り入れる企業が目立ちます。
出社回帰の流れが進んでいる理由
上記のようにハイブリッドワークを含め、オフィス出社への回帰の流れが進んでいる理由としては、まず「対面でのコミュニケーションの重要性」があります。
社員同士が直接会話することで、業務の意思疎通が円滑になり、チームワークや企業文化の維持につながると考える組織が増えています。また、情報の漏洩や労働時間管理の観点から、オフィス勤務の方がリスクを抑えやすいと判断する企業も少なくありません。
一方で社員側も、オフィスには自宅よりも整備された業務環境があるため、集中しやすいと感じる人が多くいます。こういったコミュニケーションや業務のしやすさ、さらに労務管理の観点などから、出社の意義を再評価する動きが強まっています。
今後のリモートワークに必要な視点は?
出社回帰の流れも進む中で、今後テレワーク・リモートワークに必要な視点は、どういったものでしょうか?企業として押さえておくべきポイントを解説します。
柔軟性と多様性を重視した働き方を設計する
テレワークやリモートワークの最大の特徴は、時間や場所にとらわれず働ける柔軟性にあります。これを生かすためには、画一的なルールではなく、社員の多様なライフスタイルに対応できる制度設計が不可欠です。
例えば、フレックスタイム制やジョブ型雇用などとの組み合わせで、よりパーソナライズされた働き方を実現するのもよいでしょう。障害や育児・介護などの事情を抱える人材にとっても、柔軟な働き方は就労機会の拡大につながります。
単に制度を設けるだけではなく、それを活用できる組織文化や、マネジメントの在り方を考えることが重要です。
社内コミュニケーションの工夫も必要
リモート環境では、情報の共有や人間関係の構築が難しくなります。対面のような偶発的な会話が生まれにくいため、計画的かつ継続的なコミュニケーション施策が必須です。定例会議や1on1の頻度を高めるだけではなく、バーチャルランチや雑談の場なども、意識的に設けてみましょう。
また、誰でも気軽に発言できる心理的安全性のある環境づくりも、チームの信頼関係を築く上で欠かせません。たとえオンラインでも社員同士の「つながり」を感じられる工夫が、テレワークの成功を左右するといっても過言ではないでしょう。
ツールの活用による業務効率化もポイントに
業務効率化や情報共有を支える各種ツールの活用も、テレワークでは欠かせません。ビジネスチャットやクラウド型の文書管理システム、タスク管理アプリなどは、リアルタイムでの連携や業務の「見える化」に寄与します。
特にプロジェクトベースでの業務が多い職場では、タスクの進捗状況や担当の把握がオンラインで完結できる仕組みが必要です。
ただし、リモート環境ではセキュリティ上の問題が発生しやすいため、情報漏洩やアクセス制限への配慮が不可欠です。通信の暗号化や多要素認証の導入、権限管理の徹底など、テレワーク環境におけるセキュリティの強化にも努めましょう。
テレワーク・リモートワークのこれからを考える
2025年において、テレワーク・リモートワークはコロナ禍直後の急拡大から一段落し、ハイブリッドワークを中心に多様な働き方が広がっています。
出社回帰の流れもある一方で、これからも質の高いテレワーク環境を維持するには、社員同士のコミュニケーションを充実させるとともに、継続的な業務効率化を図ることが大切です。テレワークに役立つツールも活用しつつ、社員の多様な働き方に対応できる体制を整えましょう。
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Watchy編集部
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