近年は、中小企業でもIT機器やソフトウェアの管理が複雑化しています。セキュリティリスクの高まりや作業負担の増大に対応するため、IT資産管理ツールの導入を検討しましょう。ツールのメリットや選び方のポイントを、おすすめの製品とともに解説します。

中小企業にIT資産管理ツールが必要な理由

近年、業務のデジタル化が進む中小企業では、PCやサーバー・ソフトウェアなどのIT資産が、急速に増加しています。これらの資産を手作業やExcelで管理していると、情報の更新漏れや重複、管理の煩雑化などが起こりやすくなります。

さらに、テレワークやクラウドサービスの普及により、社外に持ち出される端末や、多様なOS環境の管理も求められるようになりました。

そこで、IT資産管理ツールを導入することで、保有資産を正確に把握し、運用の最適化やセキュリティリスクの低減が図れます。限られたリソースで最大限の効果を得るために、中小企業こそ環境に合ったIT資産管理ツールの導入が必要です。

中小企業がIT資産管理ツールを導入するメリット

人手や時間に限りがある中小企業にとって、IT資産管理の効率化は大きな課題です。専任の管理者を置けない企業でも、専用の管理ツールを導入すれば、作業の属人化を防ぎつつ、全体の管理負担を軽減できます。中小企業がIT資産管理ツールを導入するメリットについて、具体的に見ていきましょう。

IT資産の一元管理により管理者の手間を削減できる

IT資産管理ツールを導入すると、PCやサーバー、ソフトウェアのライセンスなど、社内に点在するIT資産の情報を一元的に管理できます。従来はExcelや紙ベースで個別に管理していた資産情報も、ツール上で自動的に収集・更新が可能です。

管理者が手作業で情報を集めたり、確認したりする手間が大幅に削減できるのは、中小企業にとっても大きなメリットといえるでしょう。資産の増減や異動が頻繁な企業でも、リアルタイムに正確な情報を把握できるようになり、管理業務を大幅に効率化できます。

管理コストの削減・適正化が可能になる

IT資産管理ツールを活用すれば、不要なソフトウェアライセンスや未使用の端末などを可視化でき、無駄なコストの削減が可能です。また、資産の利用状況や稼働状況を把握することで、適切なタイミングでのリプレースや廃棄判断もしやすくなり、資産運用の最適化につながるでしょう。

さらに、監査や棚卸し作業も効率化できるため、人的コストや時間的コストの削減も期待できます。中小企業にとっては、限られた予算の中で、最大限の効果を得る有効な手段です。

セキュリティの強化・安定化に寄与する

各デバイスやソフトウェアのバージョン、セキュリティパッチの適用状況などを、自動で監視できるのもIT資産管理ツールを導入するメリットです。ツールの活用で脆弱性のあるデバイスや、不正なソフトウェアの利用を早期に発見し、迅速な対策が可能になります。

またツールを活用した監視により、資産の持ち出しや社外利用が増える中で、不正アクセスや情報漏洩リスクの低減にもつながるでしょう。セキュリティインシデントの発生時にも、対象端末の特定や影響範囲の把握が容易になるため、被害の最小化に寄与します。

内部統制の強化を図れる

IT資産管理ツールは、資産の利用履歴や変更履歴を記録・管理する機能により、内部統制の強化にも役立ちます。誰が・いつ・どの資産を利用したか、明確に把握できるため、不正利用の抑止や、トラブル発生時の原因究明が容易になります。

また、監査対応や法令順守の観点からも、客観的な証跡を残せるのがメリットです。また、万が一ライセンス監査を受ける際にも、正確な情報をスムーズに提示できるため、対応にかかる負担を軽減できます。

中小企業がIT資産管理ツールを選ぶ際のポイント

IT資産管理ツールを選定する際には、自社の業務や運用体制に合ったものを選ぶことが重要です。特に、中小企業では予算や人的リソースの制約があるため、以下のポイントを意識しつつ、最適なツールを選定しましょう。

導入目的を満たす機能が網羅されているか?

IT資産管理ツールを導入する際には、まず目的を明確にして、十分に達成できる機能が備わっているか確認することが大切です。例えば、資産の自動検出やソフトウェアライセンス管理、棚卸し支援・レポート作成など、必要な機能が標準で搭載されているかをチェックしましょう。

加えて、今後の業務拡大や運用の変化に対して、柔軟に対応できる拡張性も重要なポイントです。自社の課題や要望を整理し、最適な機能を持つツールを選ぶ必要があります。

運用中の端末やOSに対応できるか?

IT資産管理ツールを選ぶ際は、自社で利用している端末やOSに対応しているかどうか、必ず確認しましょう。Windowsはもちろん、MacやLinux・スマホやタブレット端末など、多様なデバイスを管理する必要がある場合、マルチプラットフォーム対応のツールが適しています。

また、クラウドサービスやリモートワーク環境にも、問題なく対応できるかも重要なポイントです。導入後に一部の端末が管理できない事態を避けるためにも、事前に確認するとともに、社内のネットワーク構成との親和性もチェックが必要です。

収集できる情報の種類や精度は問題ないか?

IT資産管理ツールが収集できる情報の種類・精度は、製品・サービスによって異なります。ハードウェア情報だけでなく、ソフトウェアのインストール状況やライセンス情報も、きちんと把握できるか確認しましょう。

さらに、ネットワーク構成やセキュリティパッチの適用状況など、どこまで詳細に確認できるかも重要です。併せて、情報の自動更新頻度や、リアルタイム性もチェックしておきましょう。正確でタイムリーな情報が得られるツールを選ぶことで、より効果的な資産管理が可能になります。

中小企業向けのおすすめIT資産管理ツール3選

IT資産管理ツールの導入を検討する際には、上記のポイントを意識しつつ、自社の規模や業務環境に合った製品を選ぶことが重要です。ここでは中小企業の導入事例も多く、機能・サポート面で信頼できるツールを紹介します。

MCore - 住友電工情報システム株式会社

MCoreは、多機能かつ直感的な操作性が特徴のIT資産管理ツールです。資産情報の自動収集やソフトウェアのライセンス管理、棚卸し支援など、IT資産の管理に必要な機能を網羅しています。

中小企業でも導入しやすい価格帯と、クラウド・オンプレミスの両方に対応した、柔軟な提供形態が魅力です。操作画面もシンプルで分かりやすく、IT担当者の負担を軽減できます。導入後のサポート体制も充実しているので、初めてIT資産管理ツールを導入する企業も安心です。

IT資産管理システム MCore | 住友電工情報システム

SKYSEA Client View - Sky株式会社

SKYSEA Client Viewは、官公庁や教育機関にも広く導入されているIT資産管理ツールで、操作の分かりやすさと運用負荷の軽さが評価されています。資産の自動収集機能に加えて、ソフトウェアの使用状況の把握や操作ログの記録、外部メディアの使用制限といった機能を備えています。

さらに、組織内の操作状況を定期的にレポートとして出力できるため、上長や経営層にスムーズに報告できるのも特徴です。多様な端末やOSに対応しており、テレワークやリモートワーク環境における、IT資産の管理にもおすすめです。

SKYSEA Client View|ITセキュリティ対策とリスクの発見を支援

System Support best1(SS1)- 株式会社ディー・オー・エス

System Support best1(SS1)は、4,600社以上の導入実績(2025年1月時点)を誇るIT資産管理ツールです。資産情報の自動収集やライセンス管理・棚卸し支援など、基本機能を押さえつつ、コストパフォーマンスに優れているのが魅力です。

シンプルな操作画面と導入のしやすさも評価されており、Excel調の画面で管理できます。初めてIT資産管理ツールを利用する企業でも、すぐに使いこなせるようになるでしょう。導入の際には、サーバー構築や操作レクチャーなど、専門スタッフによる丁寧なサポートを受けられます。

IT資産管理ツール・ログ管理ソフト│顧客満足度No.1のSS1

IT資産管理ならログ管理を徹底できる「Watchy(ウォッチー)」もおすすめ

IT資産管理をより強化したい中小企業には、ログ管理も可能な「Watchy」の導入もおすすめです。デバイスやユーザーの操作履歴を詳細に記録・分析できるため、内部統制や情報漏洩対策をさらに強化したい組織に最適です。

必要な機能のみをピックアップして導入できるのに加えて、直感的な操作性と分かりやすいダッシュボードも特徴です。専任のセキュリティ担当者がいない中小企業でも、すぐに強固なIT資産の監視体制を構築できます。この機会にぜひ、導入をご検討ください。

Watchy(ウォッチー) - クラウド型IT資産管理・ログ管理ツール

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執筆者

Watchy編集部

従業員が安心して働ける環境を提供するための、IT資産管理、情報漏洩対策、労務管理に関するコンテンツを発信しています。

Watchyは、株式会社スタメンが運営するクラウドサービスです。企業のIT情報統制の課題やバックオフィスの課題を、情報システム担当者が手薄な状況でも、Watchyが解決。設定・運用の手間を最小化しながら、押さえるべきポイントを確実に押さえた企業統制の実現を支援します。

【株式会社スタメンについて】 東京証券取引所グロース市場上場。Watchy、TUNAGなど、人と組織の課題解決を実現するSaaSを展開。情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)及びプライバシーマークを取得。