
テレワークは柔軟な働き方を可能にしますが、オフィス勤務以上にストレスを感じる人も少なくありません。テレワークがもたらすストレスの原因や解消法を理解し、社員が働きやすい環境を整備しましょう。組織として取り組むべきストレス対策も解説します。
目次
テレワークはストレスがたまりやすい?
コロナ禍を経て多くの企業に広まったテレワークには、通勤時間がなくなる、家事をしながら働けるなどのメリットを感じている人がいる一方で、ストレスがたまるという声もあるようです。企業として社員に快適に働いてもらうためには、実態を知っておく必要があります。実際のところ、テレワークはストレスがたまりやすいのでしょうか?
テレワークでストレスを感じる人は多い
テレワークはフレキシブルな勤務時間や、通勤時間の削減といった利点がある一方で、慣れない環境や孤独感からストレスを感じる人もいるのが実態です。特に、自宅での作業環境が整っていない場合や、仕事とプライベートの区別がつきにくい状況では、ストレスの度合いが高まる傾向があります。
事実としてテレワークの実施状況と、ストレスおよびメンタルヘルスに関連する要因の実態調査によると、調査に回答した企業のうち約10.5%が、労働者のメンタルが悪化したと回答しています。オンラインを活用したメンタルヘルス対策を実施しているところもあり、多くの企業にとって、社員のテレワークでのストレス対策が課題となっているようです。
※出典:事業場および労働者を対象としたテレワークの実施状況とストレスおよびメンタルヘルスに関連する要因に関する実態調査|令和2年度 厚生労働省 厚生労働行政推進調査事業費(厚生労働科学特別研究事業)
テレワークによる社員のストレスがもたらす弊害
テレワークで社員のストレスが高まると、集中力の欠如や生産性の低下、さらに健康問題に発展するリスクが高まります。長期間にわたるストレスは、メンタルヘルスにも悪影響を与えるため注意が必要です。
また、コミュニケーション不足により、業務上の誤解や連携ミスも生じやすくなり、組織全体の士気やパフォーマンスを低下させる要因になるケースも珍しくありません。こういった状況を放置すれば、事業の成長にも影響が出る可能性もあります。
社員がテレワークで感じるストレスの原因は?
社員のテレワークにおけるストレスを解消するには、まず原因を明確にする必要があります。以下のように、作業環境の未整備やコミュニケーション不足、自己管理の難しさなど、ストレスの要因はさまざまです。代表的な要因を確認しておきましょう。
作業環境の未整備
テレワークでは、多くの社員が自宅で仕事をするため、快適な作業環境の整備が欠かせません。適切なデスクや椅子がない場合、姿勢の悪化や疲労感の増加、集中力の低下などを招く可能性があります。体に負担のかかる状況が長く続くと、仕事へのモチベーションも下がりやすくなり、体調不良につながるケースもあります。
また、家族やペットの生活音、近隣の騒音などが気になることで、仕事に集中できないと感じる人も少なくありません。これらも作業効率の低下やストレスの原因となるため、従業員に対し、働く場所がテレワークに適した環境なのかを事前にヒアリングしておくなどの対策が必要になります。
上司や同僚とのコミュニケーション不足
対面でのコミュニケーションが減少すると、業務上の報告・連絡・相談が滞りがちになる点は、多くの企業がテレワーク導入時に直面する課題です。特に、迅速な意思決定や情報共有が求められる場面において、連携不足が原因となり、業務の進行が遅れる可能性があります。
また、社員間の何気ない雑談や交流が減ることで、孤独感を覚えやすくなり、結果的にチーム全体の一体感やモチベーションが低下するケースも珍しくありません。社員の心理的負担が増大し、チーム全体の士気やパフォーマンスにも影響を与える可能性があります。
自己管理の難しさ
テレワークでは、社員が自らスケジュールを管理する必要があるため、仕事と休憩のバランスを取ることを難しく感じる人は少なくありません。業務の優先順位を適切に判断したり、集中力を維持したりするスキルが求められるため、自己管理が苦手な社員にとっては負担となります。
実際、休憩を取るタイミングを逃してしまい、長時間労働につながる場合や、逆に計画的に業務を進められず、締め切り直前に焦ってしまう人もいます。こういった状況が続くと、作業効率の低下はもちろん、ストレスの増大やバーンアウトのリスクを高める可能性もあるので、社員一人一人の特性に合わせたサポートが必要です。
ワークライフバランスの乱れ
在宅でのテレワークでは、家庭と職場の境界が曖昧になることで、ワークライフバランスが乱れてしまう人も多くいます。仕事の開始時間や終了時間が不明確になると、オンとオフの切り替えが難しくなり、長時間労働や休息不足に陥るケースが増える傾向にあります。
また、仕事中でも家庭内の用事に追われたり、逆に業務が終わった後も仕事のことを気にしてしまったりなど、精神的な負担も増大しがちです。その結果、疲労感やストレスが蓄積し、モチベーションの低下や健康被害につながることもあります。
テレワークにおける社員のストレスを解消するには?
社員のテレワークでのストレスを軽減するには、組織としての支援が欠かせません。以下のように、仕事がしやすい環境の整備や生活のリズムの安定を支援する取り組みが必要です。社員のストレスの解消をサポートする方法を紹介します。
仕事がしやすい環境を構築する
仕事がしやすい環境を整えることは、テレワークの基盤を支える重要な要素です。社員が快適に働けるように、適切なデスクや椅子を用意し、できるだけ姿勢や身体に負担のかからない環境を整える必要があります。
そのため、例えば一定価格未満のワークチェアやデスクなどは経費として計上できるといったテレワーク用のシドを作ることも検討しましょう。
また、インターネット接続の安定性も必須です。通信環境が不安定だと、オンライン会議やデータ共有がスムーズにできず、業務に支障をきたす恐れがあります。
通信が不安定な自宅に住んでいる社員に対しては、通信費の補助やモバイルルーターの貸与などを検討するとよいでしょう。加えて、業務用ツールや各種ソフトウエアも用意し、社員がストレスなく業務を遂行できるようにすることも大事です。
プライベートの時間を確保できるようにする
社員がプライベートの時間をきちんと確保できるようにするのも、テレワークにおいて重要な要素です。
勤務時間を厳守させるだけではなく、業務の開始・終了を明確に区切るルールを設定し、社員が自宅での仕事と私生活を分けられるようにサポートしましょう。長時間労働を防ぐため、業務の終了後は、通知をオフにするといった仕組みの導入もおすすめです。
また、定期的に休憩を取ることや、昼休みをしっかり確保することも推奨し、リフレッシュする時間をつくるよう働きかけることも大事です。上司にあたる社員が率先して休息時間を大切にする姿勢を示し、ワークライフバランスの確保を後押しするとよいでしょう。
適度な運動と十分な睡眠を意識してもらう
運動不足や睡眠不足は、ストレスや健康問題の原因となるため、特にテレワーク中は社員に自らの健康を強く意識してもらうことが大事です。日々の適度な運動や十分な睡眠の重要性を社員に啓発し、健康を維持するためのサポートを考えましょう。
例えば、定期的なストレッチや散歩を促すのに加えて、十分な睡眠時間を確保できるように業務量を調整したり、業務効率化に寄与するシステムを導入したりするのも効果的です。社員が余裕を持って仕事をこなせるように支援する必要があります。
組織として取り組むべきストレス対策
テレワークにおけるストレスの軽減には、組織全体で取り組むべきことも多くあります。以下のように、コミュニケーションを取りやすい環境づくりや、気軽に悩み事を相談できる体制を整えましょう。組織が実践すべき対策を紹介します。
コミュニケーションを取りやすい環境づくり
オンライン会議やチャットツールを活用し、社員同士がコミュニケーションを取りやすい環境づくりに努めましょう。テレワーク中でも、雑談や非公式な交流の場を設けることで、チーム内の一体感を醸成できます。
定期的にカジュアルなオンラインミーティングを開催し、仕事以外の話題を共有する時間を設けるとよいでしょう。また、コミュニケーションを活性化するために、リーダーや上司が積極的に意見交換を促し、社員が声を上げやすい雰囲気をつくることも重要です。
問題や悩み事を気軽に相談できる体制も必要
社員が悩みや問題を抱えたとき、安心して相談できる窓口を設けることも重要です。特にテレワークでは、社員同士が顔を合わせる機会が極端に減るため、孤立感を覚えやすく、心理的負担が増すことがあります。
そこで、オンラインで気軽に相談できる窓口を用意しておけば、社員が問題を抱え込むことなく、早期に対応できるようになるでしょう。定期的に社員と個別に面談を実施したり、匿名で意見を投稿できる仕組みを導入したりするのも有効です。
写真が自らの悩みを共有しやすくなり、安心してサポートを受けられる環境づくりに注力しましょう。
テレワークのストレスを緩和して組織の生産性を向上する
社員のテレワークにおけるストレスを軽減するには、一人一人が働きやすい環境を整備し、コミュニケーションを促進することが重要です。長時間労働や睡眠不足により、健康を損ないやすい環境でもあるため、運動や休息の重要性を意識してもらい、適宜サポートできる体制を整えましょう。
また、問題や悩みを気軽に相談できる体制を整えることで、心理的安全性を高めることも大切です。社員のストレスを緩和し、快適に働ける環境づくりに注力すれば、組織全体のパフォーマンスの向上につながります。
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著者情報
Watchy 編集部
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