操作ログは、システムやアプリケーションが実行したアクションや処理内容を記録したデータのことです。操作ログを分析することで、従業員の業務状況や情報セキュリティのリスクを把握することができます。この記事では、操作ログの種類や取得方法、活用する上での注意点について詳しく解説し、導入を検討する際に役立つ情報をお届けします。情報セキュリティの強化と業務効率の向上という観点から、操作ログの活用が注目されています。この記事では、操作ログの基本的な知識や種類、取得方法に加えて運用する上でのポイントについて、分かりやすく解説します。

操作ログの基礎知識

操作ログは、企業の情報セキュリティと業務効率化において、非常に重要な役割を果たします。ここでは、操作ログの基本的な概念とその種類について解説します。

従業員の業務状況を把握し、セキュリティリスクを減らすための第一歩として、操作ログの基本をしっかり理解しましょう。

操作ログとは何か

操作ログとは、ユーザー(従業員など)やシステムが行った具体的な操作を記録する仕組みです。例えば、PCへのログイン・ログオフの時間、ファイルの編集や削除、Webサイトへのアクセス状況などが記録されます。

この記録を活用することで、業務プロセスの可視化やボトルネックの特定など、業務効率化に向けた課題を明確化するのに役立ちます。さらに、何らかのセキュリティインシデントが発生した際には、原因を突き止めたり、被害の範囲を特定したりするために必要な情報としても役立ちます。

操作ログの管理がなぜ必要なのか

操作ログの管理は、業務の透明性を高め、セキュリティを強化するために欠かせない取り組みです。

組織内で行われる操作を記録することで、どのようなアクションがいつ、誰によって行われたのかを把握でき、不正行為やシステムトラブルが発生した際に迅速に原因を特定することが可能となります。

また、操作ログはサイバー攻撃や情報漏洩の早期発見、またはその前段階であるインシデントの発見など、セキュリティリスクへの早期対応にも役立ちます。

例えば、不審なログイン履歴や予期しないデータ操作があった場合、アラートを出すことで被害を未然に防ぐことができます。

加えて、操作ログの分析を通じて業務の改善点を見つけることも可能です。これらの理由から、操作ログの管理は、効率的かつ安全な業務運営を支える基盤として重要性を増しているのです。

操作ログの種類

操作ログにはさまざまな種類があり、それぞれ異なる目的で使われます。ここでは、具体的なログの種類とその内容について詳しく解説します。

ユーザーのログオン・ログオフログ

ユーザーのログオン・ログオフログは、従業員が会社のシステムにログインおよびログアウトした時間を記録するもので、セキュリティと労務管理の両面で重要な役割を果たします。

例えば、ある従業員のアカウントで繰り返しログインに失敗する動きがあった場合、管理者は迅速に異常を把握し、アカウントのロックやパスワード変更といった適切な対処を行うことで、外部からの不正ログインを防ぐことができます。

また、ログオン・ログオフデータを分析することで、従業員の勤務状況を把握することが可能です。業務開始時間や終了時間を確認し、実際の稼働時間を把握することで、労働時間の正確な記録や業務効率の改善につなげることができます。

ファイル操作ログ

ファイル操作ログは、特定のファイルに対して行われた操作(開く、保存する、削除するなど)を記録する仕組みです。

ファイル操作ログは、機密情報が適切に扱われているかを監視するために使われます。従業員が許可されていない操作をしようとした場合に、すぐに警告を発するシステムと連携することが可能です。

さらに、ファイル操作ログを定期的に確認することで、業務プロセスの改善にも役立てることができます。例えば、頻繁に変更されるファイルを分析し、より効率的な管理方法を考えることができるのです。

Webアクセスログ

Webアクセスログは、従業員がどのWebサイトにアクセスしたかを記録するものです。業務に関係のないサイトへのアクセスや、怪しい通信を検知することができます。

また、従業員がフィッシングサイトにアクセスした場合、ログを分析することで早期にその行為を発見し、迅速に対応できます。Webアクセスログは、業務上でボトルネックになっている作業の効率の向上や、何らかのインシデントが発生した際の原因特定に欠かせない重要な証跡といえるでしょう。

USBデバイス利用ログ

USBデバイス利用ログは、USBメモリなどの外部デバイスの接続やデータ転送の記録です。許可されていないデバイスの使用や、情報が外部に持ち出されるのを防ぐことができます。

USBデバイス利用ログは、外部からの攻撃だけでなく、内部の不正にも対処するための重要な手段といえるでしょう。

操作ログの取得方法

操作ログを正確かつ効率的に取得することは、セキュリティ対策の基本となります。ここでは、ログ管理システムの導入や、OSに標準で備わっている機能を使った取得方法について解説します。

それぞれの方法のメリットと注意点を理解し、自社に合った方法を選びましょう。

ログ管理システムの導入

操作ログを効率的に収集・管理するためには、ログ管理システムを導入するのが有効です。

従業員のログを監視し、異常の検知やログの取得が可能になります。また自動的にログを収集し、分析やレポート作成を簡単にする機能を備えているため、一度導入すれば、その後の運用は手間がかからずスムーズに進められます。

これらのログはダッシュボード(情報を視覚的に表示する画面)を通じて見ることができるため、管理者はすぐに異常を検知し、迅速に対応することができます。

これは、人が24時間管理したり、何か問題が起こったときに、該当ログを探すよりも有効な対策になり得ます。

操作ログの取得監視は「Watchy」にお任せ

「Watchy」は、操作ログ管理に関する課題を効率的かつシンプルに解決するクラウド型ツールです。特に中小企業においては、導入のしやすさや運用の簡便さが高く評価されています。

特に情報漏洩対策機能が充実しており、フォルダー監視やUSBドライブ監視、Web操作監視などを通じて、社内の重要情報の動きを詳細に管理します。

異常な操作や不正なアクセスが検出された場合には、即座に管理者へアラート通知が送信されるため、迅速な対応が可能です。

社内の人間が意図的に機密情報を外部に持ち出す内部不正や、外部からのリスクを効果的に抑止できます。

また、初回7日間の無料トライアルが提供されており、実際の業務環境でその利便性と効果を確認できます。セキュリティ対策の強化と運用負担の軽減を両立する手段として、「Watchy」をぜひご検討ください。

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OS標準機能を活用したログ取得

一般的に、OSには操作ログを記録する標準機能が備わっています。例えば、Windowsでは「イベントビューアー」という機能を使ってシステムの動作ログを確認することができます。

ただし、この機能ではアクセス元やファイルの移動といった詳細な操作状況を把握することは難しい場合があります。

さらに、初期設定では保存できるログの容量や保存期間が限られているため、長期的な記録や詳細な監視には不十分なことがあります。

従業員の操作ログの監視をOS標準機能で行うことは難しいでしょう。

操作ログの活用方法

取得した操作ログをどのように活用するかによって、セキュリティや業務効率に大きな差が生まれます。

ここでは、情報漏洩対策、内部不正の検知、従業員の稼働状況の把握といった具体的な活用方法を解説します。操作ログを最大限に活用し、企業の安全性を高めましょう。

情報漏洩対策への応用

情報漏洩リスクを抑えることは、企業にとって最優先課題の一つです。この解決策として操作ログの活用が役立ちます。

操作ログを適切に管理することで、疑わしいアクセスやデータの持ち出しを早期に検知し、迅速に対応することが可能になります。

例えば、従業員が権限外のファイルにアクセスし、外部に共有した場合や自身のPCにダウンロードした場合、その行動は操作ログの記録を通じて簡単に特定できます。

このような透明性の向上は、情報漏洩発生時の原因追求にも役立ちます。企業の情報保護体制を強化するための有効な手段といえるでしょう。

内部不正の検知と抑止

内部不正は、企業の信頼を損なうだけでなく、経済的な損失をもたらす重大なリスクです。操作ログは、このような不正行為を未然に防ぎ、早期に発見するための重要な役割を果たします。

例えば、通常とは異なる時間帯でのログインや、頻繁なファイル操作が記録された場合、それが内部不正の兆候である可能性があります。

こうした異常な行動をいち早く検知し、分析を基に迅速に対応することで、大きな被害を防ぐことができます。

また、事前に操作ログを活用した行動ポリシーやルールを明確にすることで、不正行為を心理的に抑止する効果も期待できます。

従業員の稼働状況を把握できる

業務効率を高めるためには、従業員の稼働状況を正確に把握することが重要です。操作ログを活用することで、各タスクにどれくらいの時間が使われたか、どのような作業が行われたかを詳しく分析できます。

また、従業員の作業状況を基に、公平な評価基準を設定することも可能です。個々の従業員が最大限のパフォーマンスを発揮できる環境を整えることができます。

操作ログ導入時の注意点

操作ログを導入する際には、従業員のプライバシー保護や法律の順守など、多くの注意点があります。ここでは、導入時に考慮すべき重要なポイントについて説明します。これらに適切に対応することで、スムーズな運用が可能になります。

プライバシーに配慮する必要がある

企業は、社内PCに対して管理権を有しているものの、その運用においては従業員のプライバシーを尊重する必要があります。

たとえば、従業員が社内PCを使って送受信する電子メールをモニタリングする場合、たとえ社内PCが企業所有のものであっても、従業員の同意なしに随時メールを監視することは問題視される可能性があります。

これは、従業員が社内PCを使用している場合でも、通常、自分が送受信するメールの内容が第三者に見られることを想定していないためです。特に、テレワークなどで公私で同じデバイスを使っている場合は、監視の目的と範囲をあらかじめ伝えておく必要があります。

コストと管理工数がかかる

操作ログの管理には、システム導入や運用に一定のコストがかかります。例えば、操作ログ管理システムを導入した場合、初期費用だけでなく、システムの維持費用やアップデート費用、場合によっては専門の担当者を配置する人件費なども発生します。

また、ログのデータ量は時間とともに増加していくため、保存するためのストレージ費用も考慮に入れる必要があるでしょう。

必要性とコストのバランスを見極めるために、導入前に費用対効果をしっかりと検討することが重要です。具体的には、自社に必要な機能は何か、どの程度の規模のシステムが最適か、運用にかかるコストはどのくらいかなどを詳細に検討し、費用対効果の高いシステムを選ぶようにする必要があります。

操作ログ導入後の運用と改善のポイント

操作ログを導入した後も、継続的な運用と改善が非常に重要です。ここでは、定期的なログ分析や従業員への配慮といった運用面での具体的なポイントを解説します。

定期的なログ分析によるリスクの早期発見

過去のログを定期的に分析することで、不正操作や不正ログインなどの異常な動きを早期に発見でき、迅速な対応が可能になります

ログ分析は、システムやネットワーク内で発生する潜在的な脅威を迅速に把握し、企業のセキュリティレベルを向上させるための重要な手段です。

特に、情報漏洩リスクを抱える企業においては、いかに早く異常を察知し対応できるかがセキュリティ対策の成否を分ける鍵となります。

そのため、ログ分析を定期的に実施することは、健全なIT環境の維持において欠かせない取り組みといえます。

従業員への配慮と周知徹底 

操作ログの導入と運用に当たっては、従業員への十分な周知と教育が欠かせません。「なぜログを取得するのか」「どのような情報が取得されるのか」「取得された情報はどのように利用されるのか」などを明確に伝え、従業員の理解と協力を得ることが重要です。

社内研修や説明会などを通じて、操作ログの目的や必要性、プライバシーへの配慮などを丁寧に説明することで、従業員の不安や反発を軽減することができます。

操作ログの活用で情報漏洩から企業を守る

操作ログは、情報漏洩や内部不正を防ぐための非常に強力なツールとなり得ます。その導入と活用によって、企業のセキュリティ体制を強化し、従業員や顧客からの信頼を得ることができます。

適切な運用と継続的な改善を行うことで、情報セキュリティリスクを最小限に抑えることが可能です。

情報セキュリティ対策の一環として、操作ログの導入と活用を積極的に検討してみてはいかがでしょうか。

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著者情報

Watchy 編集部

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