近年、テレワークの普及に伴い、企業の情報セキュリティ対策はますます重要性を増しています。中でもスクリーンセーバーは、情報漏洩防止の基本的かつ効果的な手段として注目を集めている対策です。本記事では、スクリーンセーバーの基本概念から具体的な設定方法、セキュリティ対策としての有効性までを詳しく解説します。
目次
スクリーンセーバーとは何か
PCセキュリティの基本機能として広く認知されているスクリーンセーバーですが、実際にどのような機能なのかを詳細に把握していない人も多いのではないでしょうか。
テレワークの普及が進んだ今、スクリーンセーバーは情報漏洩対策の一環として注目を集めているのです。まずはスクリーンセーバーとは何かを理解するところから始めてみましょう。
パソコン未操作時に別の映像を表示させる機能
スクリーンセーバーを一言でいえばパソコンを一定時間操作していないとき、画面に別の映像が表示される機能のことを指します。
この機能は、Windows、Mac、Linuxなど主要なパソコンにはすべてに標準搭載されています。
デザインの設定と活用
パソコンの画面に表示されるスクリーンセーバーは、さまざまなデザインから選ぶことができます。
自分の持っている好きな画像や、時計表示や写真スライドショーなども選べます。企業で使う場合は、会社のロゴを表示したり、部署ごとに異なる背景にしたりすることで、パソコンの持ち主がひと目で分かるようにすることも可能です。
ただし、派手なアニメーションや動きの多い画面は、パソコンの動作が重くなる原因になるため避けましょう。特に業務用パソコンでは、シンプルな表示にすることをおすすめします。
スクリーンセーバーの起動条件
スクリーンセーバーは「何分間パソコンを使わなかったら起動するか」を設定できます。
一般的には5分から15分くらいが適当とされていますが、仕事の内容によって調整が必要です。
例えば、顧客情報を扱う部署では5分以内、データ入力が中心の部署では10分程度というように、扱う情報の重要度に応じて時間を変えましょう。
また、パソコンの画面を再び使うときにパスワードを要求する設定もできます。
これは、席を離れている間に他の人がパソコンを操作できないようにする大切な機能です。夜間など、誰もオフィスにいない時間帯に自動的にスクリーンセーバーを起動させることもできます。
これらの設定は、会社全体のセキュリティ方針に基づいて、システム管理者がまとめて管理することが望ましいでしょう。
スクリーンセーバーの役割
情報セキュリティ対策の一環として、スクリーンセーバーが果たす役割は多岐にわたります。基本的な情報保護から高度なセキュリティ管理まで、その機能を最大限に活用する方法を解説します。
プライバシーを保護するため
パソコンの画面には、メールやパスワード、SNSでのやりとりといったプライバシーに関する情報が表示されていることが多いものです。席を立つとき、画面をそのままにしておくと、周りの人に情報を見られてしまう危険があります。
最近のオフィスは広々とした開放的な空間が多く、他の人の画面が見えやすい環境です。また、カフェやシェアオフィスで仕事をする機会も増えています。
そんなとき、スクリーンセーバーが自動的に画面を隠してくれることで、プライバシーを守ることができます。
情報漏洩を防ぐため
取引に関する情報や、社内システムのパスワードなどをのぞき見られた場合、会社の重要な情報が漏洩する可能性があります。
スクリーンセーバーは、このような情報漏洩を防ぐための基本的な対策の一つです。パソコンから離れる時に画面を自動的にロックすることで、権限のない人が情報を見たり、パソコンを操作したりすることを防ぎます。
特にテレワークの場合は、外で仕事するのであれば第三者に、自宅で仕事をする場合でも家族や同居人に会社の情報を見られないよう、より厳重な設定が必要です。
従来はモニターの焼き付き防止のため
スクリーンセーバーは、もともとは古いタイプのパソコン画面(CRTモニター)を保護するために作られました。
同じ画面を長時間表示したままにすると、その画像が画面に焼き付いてしまう問題があったためです。現在使われている液晶ディスプレイでも、同じ画面を何時間も表示し続けると、画質が劣化する可能性があります。
スクリーンセーバーを使うことで、このような問題を防ぎ、画面の寿命を延ばすことが可能です。
ただし、最近の画面は性能が良くなっており、焼き付きの心配は少なくなっています。そのため、スクリーンセーバーは画面保護よりも、情報を守るためのツールとして使われるようになってきています。
スクリーンセーバーの注意点
スクリーンセーバーにより効果的なセキュリティ対策として機能させるためには、いくつかの重要な注意点があります。以下にまとめますので、セキュリティ対策を行う際に注意してみてください。
セキュリティとして過信しない
スクリーンセーバー単独での効果には限界があります。スクリーンセーバーはあくまでセキュリティ対策の一要素として捉えるべきです。
スクリーンセーバー以外から情報が第三者の手に渡ってしまうこともあります。物理的な対策として以下の施策も検討してみるとよいでしょう。
- のぞき見防止フィルターを画面に貼る
- 机の上に重要な書類を放置しない
- 離席時は必ず[Windows]+[L]キーで画面をロックする
- パスワードは定期的に変更し、他人に教えない
- 重要な情報を扱う時は、周りの目にも注意を払う
特にテレワーク環境で従業員が社内以外の場所で働く場合は上記のような施策をマニュアル化し共有することも必要になってきます。
設定を再確認する
定期的な設定の見直しと更新は、セキュリティ対策の基本です。業務環境の変化や新たな脅威の出現に応じて、スクリーンセーバーの設定を適切に調整することが求められます。
特に、テレワークの導入やオフィスレイアウトの変更時には、既存の設定が適切かどうかを検証することが重要です。以下のようなタイミングで、スクリーンセーバーの設定を確認するように従業員に求めるといいでしょう。
- オフィスの模様替えをしたとき(他の人から画面が見えやすくなっていないか)
- 在宅勤務を始めるとき(家族に情報が見えない設定になっているか)
- パソコンの機種が変わったとき(設定が引き継がれているか)
- 仕事の内容が変わったとき(待機時間の長さは適切か)
上記のタイミング以外にも、きちんと設定がされているかどうかなどを定期的にチェックする機会を設けてみてもよいかもしれません。
セキュリティソフトの導入も検討
スクリーンセーバーの機能を補完する手段として、セキュリティソフトウェアの導入を検討することは非常に重要です。特に、リモートワークが一般化した現在では、デバイスの紛失や不正アクセスといったリスクがこれまで以上に高まっています。そのため、一つの対策だけに頼らず、多層的なセキュリティ対策を講じることが求められます。
その中でもクラウド型のIT資産管理・操作ログ管理ツール「Watchy」は、非常に有効な選択肢の一つです。
「Watchy」は、パソコンのハードウェアやソフトウェアの情報を一元管理するだけでなく、フォルダーやUSBドライブの使用状況を監視したり、スクリーンショットの取得やログオン・ログオフの記録を取得したりする機能を備えています。
特に、リモートワーク環境では、物理的なオフィスと異なり、セキュリティが緩みがちです。「Watchy」は、離れた場所からでもデバイスや情報をしっかりと管理できるため、どこで働いていても安心して業務に集中できる環境を提供します。
本来のセキュリティリスクを見直すことも重要
スクリーンセーバーは、情報漏洩やプライバシー保護の基本的な対策として、現代の働き方において重要な役割を果たします。特に、テレワークが一般化した今、職場や自宅、外出先などあらゆる環境でセキュリティリスクに対応するためには、単なる画面保護の機能を超えた活用が求められています。
本記事で解説したように、スクリーンセーバーの適切な設定や、パスワードロックの併用は、プライバシーを守り、情報漏洩を防ぐ上で効果的です。しかし、スクリーンセーバー単独ではリスクを完全に排除できないため、多層的なセキュリティ対策が必要です。その一環として、WatchyのようなIT資産管理ツールを活用することで、リモートワーク環境においても確実な情報管理を実現できます。
ぜひ本記事を参考に、スクリーンセーバーをはじめとしたセキュリティ対策を見直し、より安全で効率的な業務環境の構築を目指してください。
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著者情報
Watchy 編集部
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