クラウドサービスの活用はもはや一般化しており、社内だけでなく社外とのやりとりにも利用されています。そのため、クラウド環境特有のセキュリティリスクへの対応は企業にとっての大きな課題と言えるでしょう。本記事では、クラウドセキュリティの基礎から具体的な対策、適切なサービスの選定方法まで、クラウドを守るためのセキュリティ施策について解説していきます。
目次
クラウドセキュリティの基礎知識
クラウドサービスの導入が一般化している現代において、クラウドに対する適切なセキュリティ対策の重要性が増しています。その理由は何なのでしょうか?
ここでは、クラウドセキュリティの基本的な概念と必要性について解説します。
クラウドセキュリティとは?
クラウドとは、使用者がソフトウェアやインフラを持たずとも、インターネットを通じて適切なサービスを利用できる仕組みのことをいいます。例えばGoogleが提供している「Google Drive」は、パソコンやUSBではなく、Googleの持つデータサーバーにデータを保存できるサービスのことです。
クラウドセキュリティとは、このクラウドで扱うデータやシステムを、外部からの脅威や内部からの漏洩から保護するための対策を指します。
クラウドセキュリティがなぜ重要なのか
デジタル化が進む現代のビジネス環境において、クラウドセキュリティの重要性は日々高まっています。
一つは、クラウドサービスの利用はもはや一般化し、重要な企業データもクラウド上で管理する機会が増えているためです。特にリモートワークの普及によりクラウドサービスの利用が拡大し、それに伴うセキュリティリスクも増大しています。
さらに、社員一人ひとりがクラウドサービスを使うことで、データの分散化や複雑化も進んでいます。セキュリティ攻撃手法に対応するためには、全社のセキュリティ対策の構築が不可欠となっている状況なのです。
クラウドセキュリティにおけるリスク
クラウドサービスの特性上、インターネットを介したアクセスが基本となるため、さまざまな脅威にさらされる可能性があります。どのようなリスクがあるのかを、具体的に見ていきましょう。
不正アクセスやサイバー攻撃
クラウド環境における最も深刻な脅威の一つが、不正アクセスやサイバー攻撃です。攻撃者は、フィッシング詐欺による認証情報の窃取、パスワードの総当たり攻撃、マルウェアの配布など、さまざまな手法を駆使してシステムへの侵入を試みます。
クラウドサービスは常時インターネットに接続されているため、攻撃の機会も従来以上に増加します。特に危険なのは、一度認証情報が漏洩すると、場所を問わずにアクセスが可能となることです。
さらに、クラウドサービス間の連携機能を悪用され、一つのサービスの侵害が他のサービスにも波及するリスクもあります。近年では、AIを活用した高度な攻撃手法も出現しており、従来の防御手法では対応が困難なケースも増加しています。
内部からの情報漏洩
クラウド環境において深刻な問題となっているのが、内部からの情報漏洩です。形態は、従業員による意図的な情報持ち出しから、設定ミスによる意図せぬ情報公開まで多岐にわたります。
クラウドサービスの利便性は、同時に情報漏洩のリスクも高めることになります。例えば、社外からのアクセスが容易になることで、退職予定者による情報持ち出しのリスクが増大します。
また、クラウドストレージの共有設定の複雑さから、意図せず機密情報が外部に公開されてしまうケースも頻発しています。さらに、私用デバイスでの業務利用が一般化する中、個人のクラウドストレージへの意図しないデータ同期なども、新たなリスクとして注目されています。
データの紛失や破損
クラウド環境では、データの紛失や破損というリスクが常に存在します。原因は、システム障害やハードウェアの故障といった技術的な問題から、人為的なミス、サイバー攻撃まで多岐にわたります。
また、クラウドサービス提供者側のシステム障害により、大規模なデータ損失が発生するリスクも存在します。
加えて複数のクラウドサービスを連携させている場合、一つのサービスの問題が連鎖的にデータの整合性を損なう可能性もあります。
近年のデジタルトランスフォーメーションにより、クラウドへの依存度が高まる中、このリスクの重要性は増しています。
従業員のリテラシー不足
クラウドサービスの利用拡大に伴い、従業員のセキュリティリテラシー不足が深刻なリスク要因となっています。
クラウドサービスは、その利便性の高さから急速に普及していますが、セキュリティに関する理解や意識が追いついていないのが現状です。
特に問題となるのは、個人利用と業務利用の境界が曖昧になりやすい点です。例えば、業務データを個人のクラウドストレージにバックアップしたり、セキュリティ設定を十分確認せずにファイル共有を行ったりするケースが散見されます。
また、フィッシング詐欺への耐性が低く、クラウドサービスの認証情報を容易に詐取されてしまうリスクも高まっています。多要素認証などのセキュリティ機能を面倒がって無効化してしまうケースも否定できません。
クラウドセキュリティを強化する対策
クラウドサービスの活用が進む中、効果的なセキュリティ対策の実施は企業の重要課題となっています。システムの安全性を確保しながら、業務効率を最大化するためには、包括的な対策の実施が不可欠です。
ここでは、クラウドセキュリティを強化するための具体的な施策について解説します。
セキュリティに強いサービスを選ぶ
クラウドサービスの選定は、企業の情報セキュリティを大きく左右する重要な判断となります。信頼できるサービスを選ぶ際には、まず政府や公的機関が定める安全性基準を満たしているかどうかを確認することが重要です。
具体的には、データを保護するための暗号化機能が標準で備わっているか、情報漏洩などの事故が起きた際のサポート体制が整っているか、データのバックアップ機能が充実しているかといった点に注目しましょう。
また、サービスを多くの企業が利用しているか、セキュリティ事故の発生履歴はないかなども、選定の重要な判断材料となります。
さらに、日本国内にデータセンターを持つかどうかも、法令順守の観点から確認が必要な要素です。
アクセス権やパスワードの管理を徹底する
クラウドサービスを安全に利用するためには、「誰が」「どのデータに」アクセスできるのかを適切に管理することが重要です。
基本となるのは、業務上必要な人にだけ、必要最小限のアクセス権限を付与することです。例えば、営業部門の従業員には営業データのみ、経理部門の従業員には財務データのみというように、部門や役職に応じて適切な権限設定を行います。
パスワードについては、十分な長さと複雑さを持たせること、定期的な変更を義務付けることが重要です。特に注目すべきなのが、パスワードだけでなく、スマートフォンの認証コードなども組み合わせた「多要素認証」の導入です。パスワードが漏洩した場合でも、不正アクセスを防ぐことにつながります。
データを扱うルールの明文化と周知
クラウドサービス上のデータを安全に管理するには、組織全体で統一された明確なルールが必要です。このルールには、機密情報の具体的な定義や、データの取り扱い手順を明確に記載します。
例えば、「個人情報を含むファイルは必ず暗号化すること」「社外とのファイル共有は上長の承認を得ること」といった具体的な指針を設定します。
また、クラウドサービスならではの機能についても、使い方のルールを定めることが重要です。具体的には、ファイルの共有設定の方法、社外とのデータのやり取りの手順、スマートフォンでのアクセス制限など、日常的な作業に関する具体的な手順を示します。
これらのルールは、全従業員が理解しやすい形で文書化し、定期的な教育を通じて徹底することが大切です。
セキュリティに強いクラウドサービスの選び方
適切なクラウドサービスの選定は、セキュリティ対策の成否を左右する重要な要素です。以下では、選定の際の主要なポイントを解説します。
ISMAP管理基準を満たしている
ISMAPは、政府が定めるクラウドサービスのセキュリティ評価制度です。この基準への適合は、サービスの信頼性を示す重要な指標となります。
ISMAP認証の取得は、セキュリティ対策の網羅性や実効性が第三者により確認されていることを意味します。サービス選定時には、このような客観的な評価基準を重視することで、より安全なクラウド環境の構築が可能となります。
自社のセキュリティポリシーと一致している
クラウドサービスのセキュリティ機能が、自社のセキュリティポリシーや運用方針と整合していることは重要な要素です。
実務的な観点からは、データの暗号化レベルや、アクセス制御の粒度、監査ログの取得範囲などが、自社の要件を満たしているかを精査する必要があります。
それと同時に、インシデント発生時の対応手順や、データのバックアップ方針なども、自社の基準との整合性を確認しましょう。
必要な機能はそろっているか
効果的なセキュリティ対策には、必要な機能が漏れなく実装されていることが不可欠です。基本的な防御機能から高度な監視機能まで、企業の業務環境に合わせた機能が求められます。
主要な確認項目としては、多要素認証、暗号化、アクセスログの取得、異常検知などが挙げられます。さらに、機能の拡張性や、他のセキュリティツールとの連携可能性なども、重要な判断基準となります。
クラウドセキュリティ対策には「Watchy」がおすすめ
クラウドセキュリティ対策は、現代のビジネスにおいて不可欠な要素です。適切なサービスの選定、包括的な対策の実施、継続的な運用改善を通じて、安全なクラウド環境の構築が可能となります。
まずは自社の現状を把握し、必要なセキュリティソフトの導入を検討しましょう。
もっとも、セキュリティツールの導入は費用が大きく掛かる場合もあります。そこでおすすめなのが「Watchy」です。基本料金6,000円と、PC1台につき1機能100円という低コストで導入ができます。
Watchyには、社内PCのソフトウェアの一元管理する機能や、ソフトウェアの動作を監視する機能があります。インストール状況の取得やアクセス状況を取得し、不審なアクセス履歴があれば、即座に発見し、対処することが可能です。
クラウドセキュリティ対策にセキュリティソフトの導入を検討しているなら、「Watchy」をまずは試してみてはいかがでしょうか。
低コストでセキュリティ対策を始めるなら
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予算やリソースが限られている企業では、市販のパッケージソフトが高額で、オーバースペックになりがちです。
弊社の「Watchy」は、PC端末の台数や必要な機能に応じて契約内容を調整できるため、コストを抑えながら最適なセキュリティ対策を実現します。
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Watchy:https://watchy.biz/
運営会社:株式会社スタメン(東証グロース市場4019)
著者情報
Watchy 編集部
従業員が安心して働ける環境を提供するための、IT資産管理、情報漏洩対策、労務管理に関するコンテンツを発信しています。
Watchyは、株式会社スタメンが運営する、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)およびプライバシーマーク(Pマーク)を取得しているクラウドサービスです。東京証券取引所グロース市場上場。